【松野翔太:堺市/教師】会議室の窓の外で起きている「小さな革命」に気づく瞬間
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朝、オフィスの会議室に座ると、目の前には資料と画面が並ぶ。しかしふと窓の外を見ると、通りのカフェでパソコンを開く若い起業家たちの姿が目に入った。彼らは誰もが知る大企業に勤めているわけではない。だが、そこには確実に、今の時代のビジネスを変えようとする息吹がある。私が関わるプロジェクトは、数字や効率ばかりを追い求めていたけれど、彼らの姿を見て、自分たちの「日常」がいかに小さな箱に閉じ込められていたかを痛感した。
今、企業に求められるのは大規模な投資や派手なプロジェクトではなく、日々の行動に潜む小さな変化を見逃さない力だ。オフィス内での会議や報告も大事だが、外で起きている現実の流れを読み解き、そこから学び、取り入れる姿勢こそが未来の価値を生む。私自身、気づけば「効率」や「既存のルール」に縛られ、挑戦する意欲が薄れていたことを自覚した。
ランチの時間、街を歩くと、以前は見過ごしていた小さなサービスや新しい店舗の工夫が目に入る。注文方法や客とのやり取り、広告の仕方まで、そこには人間の想像力が形になっていた。私たちの仕事は数字や成果だけで語られるが、真の価値はこうした小さな「試行錯誤の積み重ね」にあることを思い知らされる。だからこそ、チームの中でも「外の世界をどう観察して、どんな学びを持ち帰るか」という問いを常に共有するようになった。
夕方、再び会議室に戻ると、朝とは違った目線で議論ができる。数字や資料の向こう側に、現実の変化と可能性が見えてくる。スタートアップのような大きな挑戦でなくても、私たちの日常業務に潜む「小さな革命」を拾い上げ、実践していくこと。それこそが、組織の成長と個人の挑戦を同時に実現する鍵になるのだと気づいた。
会議が終わり、窓の外の光を見つめながら、私は次の一歩を考える。大きな計画に怯える必要はない。まずは目の前の小さな行動、そして外にある現実を感じ、そこに学びを持ち帰ること。それが未来を変える最初の一歩になると信じられる。今の仕事の意味が変わった瞬間だった。