その因果関係、実は逆かもしれません
因があって、結果が生まれる。蚊に刺されたからかゆい。食べ過ぎたから眠い。私たちは無意識のうちに、こうした「原因が先、結果が後」という順番で世界を捉えています。
ところが、この順番が世間の常識とは逆になっている事象が、実は少なくありません。因果を取り違えたまま生きていると、努力の方向がずれてしまうこともあります。
ここでは、私、村上祐章が「原因と結果が逆だった」と気づいた視点を、具体例を通してお届けします。読み終えたとき、あなたの物事の見方が少し変わっているかもしれません。
「時間がないから読めない」は逆
「時間がないから本が読めない」
よく聞くセリフです。
でも、これは逆ではないでしょうか。本を読まないから、時間がなくなっている。そう考えたほうが筋が通ります。
本には、先人が積み上げた知恵が体系的に詰まっています。それを吸収しないまま進むと、遠回りが増えます。
試行錯誤に時間を奪われ、結果として「時間がない」状態に陥る。
読書は時間を奪うものではなく、生み出すもの。そう捉え直すと、優先順位が変わってきます。
好かれるから、仕事ができる
「仕事ができると、人から好かれる」多くのビジネスパーソンがそう信じています。
これも実は順番が逆かもしれません。
「人から好かれるからこそ、仕事ができる」
仕事の多くは、誰かの協力で前に進みます。情報が集まり、頼み事が通り、チャンスが回ってくる。その土台にあるのは、周囲からの信頼や好意です。
能力を磨く前に、まず人に好かれる。遠回りに見えて、これが成果への近道になることもあります。
行動が先、やる気は後
「やる気が出たら行動しよう」そう考えて、動けないまま一日が終わる。心当たりはないでしょうか。
やる気は、行動の前提ではありません。
むしろ手を動かし始めてから、後からついてくるものです。
机に向かう。一行だけ書く。小さく動くうちに、気づけば熱が入っている。
この順番を知っているだけで、腰の重さがずいぶん変わります。
自信・モテ・笑顔・感謝、すべて逆
同じ構造の例は、まだあります。並べてみましょう。
・成果が出るから自信がつくのではなく、自信があるから成果が生まれる
・かっこいいからモテるのではなく、モテるからかっこよくなる
・楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる
・幸せだから感謝するのではなく、感謝するから幸せになる
どれも、世間の常識とは矢印が反対を向いています。
結果だと思っていたものが、実は原因だった。
そういうケースは、思いのほか多いのです。
「本当は逆では?」と問う習慣を
何かの因果関係を目にしたとき、一度立ち止まってみてください。
「これは、本当のところ逆ではないだろうか」
その問いを持つだけで、見慣れた景色がまったく別のものに見えてくることがあります。
原因と結果の矢印を、ときどき疑ってみる。
それが、思い込みから抜け出す第一歩になります。