こんにちは!前嶋拳人です。
静まり返った夜の住宅街を歩いているときひっそりと光を放つ街灯の周りを懸命に飛び続ける一匹の蛾の姿にふと目を奪われました。暗闇の中に浮かび上がる光源に向かって何度壁にぶつかっても諦めずに不規則な弧を描きながら引き寄せられていくその姿にはどこか切なさと圧倒的なエネルギーが同居しています。普段は明るい室内で暮らしていると光の存在を当たり前のように享受していますが夜の闇の中でその光が持つ強烈な引力を目の当たりにすると光と影が織りなす世界の奥深さを改めて思い知らされるようです。
この蛾が光を目指して迷いなく飛び続ける習性を深く考えていくと私たちが日々の仕事や目標に向かって突き進む姿と重なる部分があることに気づかされます。自分の進むべき方向を指し示すものがあるとき人間もまたその一点の輝きだけに心を奪われ周囲の状況が見えなくなってしまうことが少なくありません。がむしゃらに前を向く姿勢は尊いものではありますが時には自分が何を目指してその光に向かっているのかを冷静に見つめ直す余裕を持つことも大切です。がむしゃらな情熱と客観的な視点のバランスが取れて初めて確実な前進が生まれてきます。
日々のシステム開発やプロジェクトの設計に向き合うときもこの街灯と蛾の関係性に似た状況に直面することがよくあります。目の前の新しい技術や華やかな成果という名の光にばかり気を取られてしまい肝心の基盤の安定性やユーザーの使いやすさという足元の現実を見落としてしまう危険性があるからです。どんなに魅力的な目標に向かうときでも一歩引いた場所から全体を俯瞰し自分のアプローチが本当に正しい方向を向いているのかを丁寧に点検する姿勢を常に忘れないように心がけたいと感じます。
夜の街灯の周りで繰り広げられていた小さなドラマは慌ただしい日常の中で忘れかけていた目標との向き合い方を静かに問い直してくれました。掲げた光に向かってひたむきに進む情熱を持ちつつも周囲の環境を正しく見渡す冷静さを大切にしながら明日からも丁寧な歩みを続けていきたいと思います。静かな夜道に残された微かな光の余韻を胸に抱きながら一歩一歩確実な足跡を刻んでいく時間は何物にも代えがたい豊かな経験になります。