こんにちは!前嶋拳人です。
静かな木立の間を通り抜けてきたひとすべりの涼風が熱を帯びた頬をそっと撫でるように吹き抜けていったその瞬間をふと心地よく感じていた。
私たちは普段自分の進むべき目的地や目の前のやるべきことばかりに気を取られてしまいがちだが世界はもっと静かで優美な自然の営みに満ちている。
目に見えないはずの風が木々の葉を揺らしながら形のない姿で通り過ぎていくその現象はわずか数秒前までそこに何もなかった空間に確かに命が通っていることを私に教えてくれた。
あの日感じた涼やかな風は遠くの山や空から旅をしてきて私たちの日常の景色にそっと触れながらまた別の場所へと消えていく自然の旅人のようである。
その姿は私たちが日々の生活の中で見過ごしてしまう細やかな自然の営みや時間の流れをそっと思い出させてくれるような気がしてならない。
私たちが何気なく歩いている日常の空間もよく観察してみると毎日のように新しい表情や小さな奇跡が隠されていることに気づく。
忙しい毎日に追われていると目の前を流れていく景色はただの通過点のように感じられてしまうけれど時には足を止めることが大切だ。
肌をかすめる風の冷たさや草木が擦れ合う微かな音色など日常の中にある些細な現象に意識を向けるだけで心は豊かになる。
世の中は驚くほどたくさんの色や形やリズムで溢れていて私たちはそのほんの一部しか感じ取れていないのかもしれない。
それでもふとした瞬間に訪れる小さな気づきが私たちの凝り固まった思考をほぐし新しい視点を与えてくれることがある。
今日の帰り道はいつもより少しだけゆっくり歩いて身の回りの小さな世界に目を向けてみると新しい発見に出会えるかもしれない。