【前嶋拳人】コードと対話する時間
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フリーランスとして働く中で、私はコードを書く時間を単なる作業ではなく「対話の時間」と捉えるようになりました。画面の中でエラーと向き合うとき、設計書と相談するとき、クライアントの要望を解釈するとき、すべてが小さな対話の連続です。新卒で大手SIerに入社してから経験してきた大規模プロジェクトの数々は、まるで複雑な会話を学ぶトレーニングのようでした。
独立してフリーランスになった今、私の「対話」はさらに自由になりました。カフェでコーヒーを飲みながらReactのコンポーネントとやり取りをしたり、夜の静かな自宅でLaravelのルーティングと向き合ったりする時間は、ただのコード作業ではなく、頭の中で考えが整理されていくひとときです。どんなに複雑な要件でも、一行ずつ丁寧に書き進めることで、自然と解決策が見えてきます。
また、フリーランスでの仕事ではクライアントとのやり取りも重要な対話です。直接会って話すこともあれば、Slackやメールでのやり取りもあります。言葉や文章で自分の意図を正確に伝える力は、技術だけでなくコミュニケーション能力も磨かれる瞬間です。過去に関わった金融や製造業の大規模システムでは、ほんの小さな誤解がプロジェクト全体に影響することを身をもって経験しました。だからこそ、フリーランスとして仕事をする今は、コミュニケーションを大切にしています。
今日もまた新しい案件に取り組みながら、コードや設計書、クライアントとの対話を続けています。自由な環境だからこそ、自分の考えや工夫を最大限に活かすことができる。エラーや仕様変更も恐れずに向き合い、ひとつずつ解決していく時間は、私にとってかけがえのない学びと楽しさにつながっています。フリーランスとしての毎日は、こうした「対話の連続」で成り立っています。