アートの未来は「共創」「拡張」「変容」にある──作家たちの挑戦と私の5年間
アートの未来は「共創」「拡張」「変容」にある──作家たちの挑戦と私の5年間
アート教室を始めて5年が経ちました。
最初は小さなアトリエで、絵を描くことの楽しさを伝える場でしたが、この5年間で私自身も大きく学び、アートの在り方が時代と共に変化していることを実感しています。
とりわけ、これからのアートの未来を考えるとき、私は3つのキーワードを強く意識しています。
それが 「共創」「拡張」「変容」 です。
共創──ひとりで描く時代から、ともに紡ぐ時代へ
アートは長らく「作家の個の表現」として語られてきました。
しかし近年は、観客や参加者と共につくるプロジェクト型のアートや、地域の人々を巻き込む作品が注目されています。
私の教室でも、子どもたちが互いの絵に刺激を受け、作品同士が対話する瞬間を目にします。
そこには「一人で完結する美」ではなく、「共に生み出す喜び」があります。
拡張──テクノロジーが開く新しい表現の扉
デジタルツールやAIの登場により、表現の手法はかつてないほど広がりました。
VRアートや生成AIによる作品は、従来の絵画や彫刻の延長線上にありながら、新しい感覚の世界を生み出しています。
「手で描くこと」だけにとらわれない、アートの未来の姿がここにあります。
5年前には想像もしなかった“拡張するアート”を、子どもたちと体験できることに、私は大きな可能性を感じます。
変容──アートは人の心とともに形を変える
社会が変われば、アートの意味も変わります。
震災、パンデミック、そしてAIの時代──それぞれの局面で、アートは「慰め」や「問いかけ」として役割を果たしてきました。
私にとってアートは「形」ではなく「変容し続ける営み」です。
教室で出会う一枚の絵も、その人の心の変化を映し出す鏡のように思えるのです。
歴史の中でアートを感じる
アートは常に時代を映し出してきました。
ルネサンスは科学と宗教の狭間で芸術を拡張し、20世紀の前衛は既成概念を打ち壊して新しい表現を模索しました。
そして今、私たちが立っているのは「共創・拡張・変容」が同時進行する時代です。
その只中にアート教室を営むことは、歴史の連続に自分が関われているようで、ささやかな誇りを感じます。
おわりに──5年目の挑戦
これからも、私は「教える人」である以上に、「ともに探す人」でありたいと思います。
共に描き、共に問い、そして共に変わっていく。
アートの未来はきっと、そんなプロセスの中にあるのでしょう。