🎸 実体験:ベースとTABのジレンマ
私は2025年2月にベースを始め、国内外のさまざまな曲をコピーしてきました。コピーの楽しさは格別ですが、4弦ベースから5弦ベースに持ち替えたとき、大きな壁にぶつかりました。
既存の4弦TAB譜はそのままでは使えず、B弦の追加に伴う小節のズレやポジション変更を手作業で直す必要があったのです。
練習の時間よりもTABの書き直しに時間を取られ、演奏の楽しさが半減してしまう…。この「演奏の楽しみを奪う面倒さ」をなんとかしたい、という思いが開発の原点でした。
💡 開発アプローチ:自作ツールで課題解決
もともと個人でソフトを自作していた経験を活かし、まずPython+FlaskでローカルWebアプリを試作しました。
- 入力されるTABの形式が違っても変換できるように自動判定
- 小節やリズム構造を保持して5弦用に変換
さらに、PyScript+JavaScriptで完全ブラウザ化。OSや環境に依存せず、誰でもすぐ使える形にしました。
機能拡張の具体例
- 小節対応:既存TABのリズム構造を保ったまま、5弦ベース用に自動変換
- チューニング設定:Drop Cや標準Eなど複数チューニングに対応
- 演奏記号対応:スラップ、ハンマリング、プリングオフなど演奏ニュアンスも保持
- 自動フォーマット調整:見た目を整え、コピーや印刷も簡単
単なる文字の置き換えではなく、実際の演奏に使えるレベルまで進化させることを意識しました。
🌍 ユーザーへの価値と反響
Gumroadで販売し、英語マニュアルも用意したことで、アメリカ・ヨーロッパなど海外からのアクセスも増加。
SNSやnoteでの比較動画や画像を活用した宣伝も、海外ユーザーの興味を引く大きな要因になりました。
ユーザーの声をもとに改良した事例もあります。例えば、小節ズレの問題が報告され、変換アルゴリズムを改善。自分が困ったことが、他のベーシストの問題解決にもつながることを実感しました。
🚀 今後の挑戦
- PyScript版の正式リリースで完全ブラウザ化、さらに軽量化
- 海外発信強化(YouTube動画、Reddit、ベースフォーラムなど)
- 演奏動画やスラップ奏法デモとの連動による学習・練習効率の向上
- 最終目標:「音楽とテクノロジーをつなぐ架け橋」として、世界中のベーシストが自由に演奏できる環境を提供
私はこのツールを、単なる変換ソフトではなく、ベーシストの表現力と創作の可能性を広げるツールとして成長させていきたいと考えています。