【高倉友彰】カフェのテーブルで見つけた、自分の仕事の未来
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朝のカフェでラテを注文し、窓際の席に座る。外では通勤する人々が忙しなく行き交い、街はいつもと変わらないリズムで動いているように見える。しかし、僕の目はその光景の奥に、まだ形になっていない可能性を探していた。仕事とはオフィスやプロジェクトだけにあるのではなく、日常の断片の中にもヒントが隠れているのだと最近強く感じている。
カフェのテーブルには、前日の会議での議事録と新しいプロジェクトのアイデアメモを広げた。ページをめくるたびに、自分がこれまで経験してきた仕事の蓄積が、まるでパズルのピースのように繋がっていく感覚がある。小さな気づきや、偶然耳にした会話、他業界のトレンドが重なり合い、新しい企画の輪郭が見えてくる。その瞬間、仕事は単なる義務やタスクではなく、未来を形作る素材だという思いが湧いた。
僕はこれまで、チームの中でエンジニアやデザイナーの橋渡し役を担ってきた。多様な視点を持つ人々と関わることで、問題の本質に近づく力が身についた。だが最近気づいたのは、そうした経験は組織の中だけで生かすものではなく、外の世界で応用できるということだ。例えば、街で見かける新しいサービスの形、カフェで隣の席に座る人が使っているアプリ、たった一つの広告コピーの言葉。どれもが仕事のヒントになり得る。
昼下がり、ふと手元のノートに描いたアイデアを見返す。以前なら、思いつきのまま流してしまった小さな閃きも、今では具体的なプロジェクトの形に変わることがある。大切なのは、それを記録し、少しずつ育てることだ。日常と仕事の境界を曖昧にすることで、普通の瞬間から非凡な発想を引き出せるのだ。
夕方、カフェを出る前にラテのカップを手に取り、ふと周囲の人々の表情を眺める。誰もが自分の世界に没入しているように見えるが、実は小さな発見や気づきの連続が、未来の仕事の形を少しずつ作っているのだと思う。それを見逃さず、自分の経験や知識と結びつける力こそが、これからのキャリアを豊かにする鍵だと感じる。
帰り道、街の喧騒の中で、自分の頭の中に広がるアイデアの地図を思い描く。どんなに小さな体験でも、それをどう生かすかは自分次第だ。仕事とは決してオフィスの中だけに存在するものではなく、日常に散りばめられた発見をどうつなげるかで未来の形を描ける。カフェのテーブルから始まった小さな思考が、いつか大きな変化を生む予感がして、僕は歩みを止めることができなかった。