【阪田和典】なぜ僕は「失敗広告」を公開してチームに見せ続けるのか
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フリーランスとして複数のスタートアップ企業の広告運用を担当していると、どうしても成果ばかりに目がいきがちです。しかし最近、あえて「失敗した広告」をチームに共有することの重要性に気づきました。ある日のこと、キャンペーンのCTRは過去最低、ROIもマイナス。しかしそのデータを隠すのではなく、みんなで分析することで、次の改善案が次々と生まれたのです。
広告運用は数字との対話ですが、数字だけに頼るとクリエイティブや戦略が単調になりがちです。失敗の共有は、単なる反省ではなく、チーム全体で「どうすれば改善できるか」を考えるきっかけになります。特にスタートアップでは、限られたリソースの中で試行錯誤を繰り返すことが成功の鍵です。僕自身、データだけで判断していたころは、数値の裏にあるユーザーの心理や市場のトレンドを見落としていました。失敗をオープンにすることで、初めて見えてくるヒントがあるのです。
さらに、このアプローチは社内の信頼関係にも大きく影響します。誰もが「失敗を隠さなくてもいい」と感じられる環境は、結果的にチャレンジ精神を後押しし、チーム全体のパフォーマンスを引き上げます。僕自身、フリーランスとしてクライアントに提案するときも、成功例だけでなく改善例を含めて説明することで、信頼度が格段に増すのを実感しています。
数字だけでは語れない「改善の発見」は、広告運用に限らず、あらゆる仕事に応用できます。大事なのは、結果の良し悪しではなく、そこから何を学び、次にどう活かすか。僕はこれからも、成功と失敗の両方をオープンにして、チームやクライアントと共に成長し続けたいと考えています。失敗を恐れず、むしろ楽しむ視点こそが、未来の成果を生む鍵なのです。