🥋 剣道から学ぶもの──剣道歴20年を振り返って
20年前、はじめて竹刀を握ったとき、
剣道がここまで自分の人生に深く関わるとは思ってもいませんでした。
稽古に励み、試合で悔し涙を流し、仲間と笑い合い、
時に壁にぶつかって道場から足が遠のいたこともありました。
それでも、気がつけば剣道歴は20年──
続けてきたからこそ見えてきた、「剣道から学ぶもの」があります。
■ 礼儀とは、形ではなく“心のありよう”であること
剣道では、礼に始まり礼に終わります。
相手を打つ前に、まず心を整え、
相手の命を借りて学ばせていただく、という姿勢で臨む。
この「礼」の精神は、道場の外でも生きています。
仕事でも、家庭でも、
言葉や態度に心を込めて接することの大切さを教えてくれました。
■ 勝ちよりも大切なのは、“負けを受け止める力”
20年のあいだ、何度も負けてきました。
何度も、自分の弱さや未熟さを見せつけられました。
でも剣道は、「負けたから終わり」ではなく、
「負けから始まる」道だと教えてくれます。
一本取られたとき、ただ悔しがるのではなく、
なぜ負けたかを見つめ、自分を省みること。
その積み重ねが、人を育てるのだと思います。
■ 心が乱れれば、剣も乱れる
剣道の構えは、ただの姿勢ではありません。
心が安定していなければ、どれだけ技術があっても
相手の気に飲まれてしまう。
これは、日常生活でも同じです。
忙しさに流され、感情に振り回されると、
正しい判断や行動はできなくなる。
剣道で培った「心を静かに保つ」感覚は、
今、社会の中でこそ活きていると感じます。
■ 「続ける」ということの意味
20年間、決して順風満帆ではありませんでした。
怪我、仕事との両立、年齢による体力の変化……
けれど、細く長く、なんとか続けてきました。
そして今思うのは、
「強くなったかどうか」よりも、
「やめなかったこと」こそが、最大の誇りだということです。
続けることでしか得られない学びが、剣道にはあります。
🧭 最後に
剣道は、決して特別な人のための武道ではありません。
どんな年齢でも、どんな立場でも、
今の自分と向き合える、静かで深い道です。
20年を経て、ようやくその“学び”の入口に立ったような気がしています。
これからも、一本一本に心を込めて、剣道を歩んでいきたいと思います。