二十年という歳月
二十年という歳月は、ただ竹刀を振り続けただけの時間ではありません。
勝ち負けに一喜一憂し、壁にぶつかり、心が折れそうになることも幾度となくありました。けれども、その度に立ち上がり、再び前を向く。剣道は「上達する技」以上に、「折れない心の習慣」を私に授けてくれたのだと思います。
稽古を重ねる中で気づいたのは、相手と向き合う前に、まず自分自身と向き合うことの大切さです。恐れや迷い、油断や慢心──すべては自分の内に潜んでいます。竹刀を交える時間は、相手と戦っているようでいて、実は自分との対話の時間でもあるのです。
そして、そうした日々の積み重ねは、剣道場を出た日常生活にも必ず息づいています。仕事の困難、人間関係の葛藤、思いがけない逆境。どんな場面においても「一歩、堂々と踏み出す構え」を剣道が教えてくれました。
──二十年経った今、私は思います。剣道を学ぶことは、勝つための技術を磨くことではなく、「生きる姿勢」を鍛えることだったのだと。