親として子に伝えたい武士道の心
親として子に伝えたい武士道の心
剣道歴20年。
石川県の道場で稽古を重ねながら、同時に父として家庭を築いてきました。
竹刀を振る日々の中で気づいたのは、「武士道の心」は稽古場だけでなく、家庭の中でこそ生きるということです。
親として、子に伝えたいのは「勝つこと」ではなく「どう生きるか」という指針です。
義 ── 正しさを選ぶ勇気
子どもはときに楽な道、ずるい道に惹かれることがあります。
そんな時こそ親は「義」を示す必要があります。
武士道における「義」とは、損得ではなく正しさを選ぶこと。
親の背中で「正しく生きる姿」を見せることが、子の心に最も強く刻まれる教育なのです。
勇 ── 一歩を踏み出す力
剣道では、恐れを抱いたままでは前に出られません。
人生も同じです。挑戦には不安がつきものですが、勇気を出して一歩を踏み出すことで未来は開けます。
「失敗してもいい。恐れずに前へ」
その教えを、親として繰り返し伝えたいのです。
礼 ── 感謝を忘れない心
剣道は「礼に始まり、礼に終わる」。
家庭でも同じです。
「いただきます」「ありがとう」「ごめんなさい」──これらの言葉を大切にすることが、心を育てます。
親が日常の中で礼を尽くす姿を見せることが、子どもに「人を敬う心」を根づかせます。
忍 ── 続けることの価値
剣道は一朝一夕では上達しません。
素振りの積み重ねが力となり、忍耐が人を鍛えます。
子どもに伝えたいのは「すぐに結果を求めず、続けることで強くなれる」ということ。
勉強も部活動も、日々の忍耐の中に成長があるのです。
終わりに
武士道の心は、戦うためではなく「正しく、強く、誠実に生きるため」の指針です。
親として子に伝えたいのは、勝敗よりも人生のあり方。
義を守り、勇を持ち、礼を尽くし、忍を重ねる。
その生き方こそ、未来を生きる子どもにとって何よりの「道しるべ」になると信じています。
石川の一剣士である前に、私は一人の親として──
剣道と武士道の心を、これからも子どもに手渡していきたいと思います。