剣道を行っていく上での大事なこととは?
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初めて竹刀を握ったとき、私は「どうすれば早く勝てるか」ばかりを考えていました。
強い打突、素早い動き――それが剣道だと思っていたのです。
しかし稽古を重ねるうちに、師範から何度も言われました。
「剣道は、相手を倒すためのものではなく、自分を磨くためのものだ」
その言葉の意味がわかったのは、試合で敗れたときでした。
悔しさの中で頭を下げ合う瞬間、相手に勝てなくても「礼」を尽くすことで、心がすっと澄んでいく感覚があったのです。
剣道で大事なことは、一本を決める技の鋭さだけではありません。
姿勢を正すこと、相手を尊重すること、そして自分の心に負けないこと。
勝敗は一瞬で決まりますが、「人としての成長」は一生残ります。
だから剣道は、強さだけでなく“生き方”を教えてくれるのだと思います。