【Minority 】〜多数派が必ずしも正解とは限らない〜
何を隠そう、私自身も会社に勤めていた頃
あるいは奥山製作所を継いで経営者になったばかりの頃は
「多数派の意見こそ正しい」
「大きな組織や仕組みに頼ることが成果につながる」そう思い込んでいました。
実際、経営に行き詰まったときも、
大手のコンサル会社に相談をし机上の空論
を繰り広げていました
しかし結果は
一向に成果にはつながりませんでした。
孤独と苦難の中で
数年が経った頃、社員の離職が続き、気づけば会社に残ったのは私ひとり。
父親とも裁判沙汰になり、経営者としても、人間としても、孤立した時期がありました。
心が折れ、投げ出したくなる瞬間も何度もありました。
そんなとき、彼女の一言が私を立ち直らせてくれました。
「後悔をしないのか?」
その言葉をきっかけに、私は「棚卸し」を始めました。
三つの棚卸し
私は三つの問いを自分に投げかけました。
1. 私自身の強みとは何か?
2. 奥山製作所が100年以上もの間お客様に支持され続けてきた理由は何か?
3. 創業者をはじめ代々の経営者が、4代目の私に託しているものは何か?
この問いを通じて見えてきたのは〜
私は「ネジが好き」だから経営しているのではない。
私は「サービスを提供すること」にモチベートされている、という事実でした。
そして奥山製作所もまた、誠実さを土台に「小回りのきく対応」「地域の方々の面倒を引き受ける姿勢」で信頼を得てきた会社でした。つまり、私の特性と会社の歴史は決して相性が悪いわけではなく、むしろ重なる部分があると気づいたのです。
現場での気づき
やがて私は、自ら現場に立つようになりました。
毎日現場に出て、お客様が抱える課題を間近で見続けました。
「何が売れるか」ではなく、
「どうしたらお客様に喜んでいただけるのか」
「お客様はどんな課題を抱えているのか」
その視点を持ち続けたとき、あることに気づいたのです。
現場では「在庫が切れる」ということが頻繁に起こっていました。
忙しい担当者は朝と夕方に在庫を確認していましたが、その間に在庫がなくなれば、現場を止めてホームセンターに走り、戻るまでに2時間。
生産性は失われ、担当者は疲弊していきます。
私はそこでハッとしました。
「その在庫が切れる“すき間の時間”こそ、私たちが納品に伺っている時間ではないか。」
では、その時間の中でお客様の課題解決につながるサービスを提供できるのではないか――。
在庫管理支援サービスの原点
こうして生まれたのが、奥山製作所の 在庫管理支援サービス です。
多数派の「ただモノを売る」というやり方ではなく、少数派の「現場の課題に寄り添うサービス提供」という選択。
大きな組織や多数派の意見に流されていた頃には、決して見つけられなかった答えでした。
目の前の大切なお客様に近づいていったからこそ、誰もまだ気づいていなかった課題と、
誰もやっていなかったサービスを見つけることができたのです。
結びに
Minority――多数派が必ずしも正解とは限らない。
私はこれからも「マイノリティの道」を歩み続けます。
現場に立ち、お客様の課題を解決するために。
それが私に託された使命であり、奥山製作所が未来へ進む道だと信じています。
そして最後に、読んでくださったあなたに問いかけたいのです。
👉 あなたにとっての“マイノリティ”とは何ですか?