【城間勝行】会議の少ない日ほど進む理由
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この時期になると、案件の進み方に妙な波があることに気づきます。
不思議なもので、会議が少ない日ほど開発が一気に進むのです。
フリーランスとして働いていると、会議はリモートでの短い打ち合わせが多いのですが、それでも1時間あればタスクを二つ三つ終えられる時間が消えていきます。しかも、会議が終わった直後は思考が分断されてしまい、再び集中状態に戻るまで時間がかかります。いわゆるコンテキストスイッチのコストです。
そんな理由もあって、会議が一切ない日は朝から夜まで完全に開発モードに没頭できます。気がつけば、進捗バーがいつもの倍くらい伸びている。バグも減り、コードレビューの指摘も少なくなる。単純に作業時間が増えただけでなく、脳の中の「集中回路」が途切れずに動き続けるからでしょう。
最近は、クライアントにも「この日は会議を入れずに集中開発日としましょう」と提案するようにしています。最初は「そんなに効果があるのか」と半信半疑だった方も、実際にやってみると「確かに成果物が早く上がる」と驚かれます。
もちろん、会議は必要です。方向性をそろえたり、認識を合わせたりするには欠かせない。ただし、その回数とタイミングを工夫することで、開発スピードやクオリティは大きく変わります。
これはチーム開発だけでなく、個人の働き方にも言えることです。自分の集中が途切れない時間をどう確保するか。それがプロジェクト全体の成果にもつながります。
私はこの時期、納期前の忙しさと同じくらい、この「集中開発日」の存在を大事にしています。会議の少ない日は、単なる予定の空きではなく、未来の成果を先取りできる貴重な日です。