あえて全く興味のない分野の資格試験に落ちてみた話
Photo by Desiray Green on Unsplash
こんにちは!城間勝行です。
先月、私はある突飛な行動に出ました。それは自分の専門であるシステム開発やビジネスとは一ミリも関係のない、例えば古代遺跡の修復や深海生物の生態といった、全く知識のない分野の資格試験に本気で申し込み、そして見事に落ちてみるという実験です。エンジニアという職種に身を置いていると、私たちは常に合格や成功、あるいは不具合のない完璧なリリースといった正解のルートだけを歩くことを強いられます。一回のミスが大きな損失に繋がり、非効率な学びは時間の無駄だと切り捨てられる。そんな、常にスマートな勝利を求められる日常に、あえて意味のない敗北というノイズを混ぜ込んでみたくなったのです。
試験当日、会場に座り、全く読み解けない問題用紙を前にしたとき、私の脳はこれまでにないほど激しく回転し始めました。消去法すら使えない状況で、わずかな手がかりからロジックを組み立て、未知の言葉の裏側にある意図を推測する。この無謀な挑戦は、私に忘れていた初心を思い出させてくれました。専門分野でベテランと呼ばれるようになると、私たちは過去の経験というフィルターを通してしか世界を見なくなります。でも、全くの素人として壁にぶつかり、完膚なきまでに叩きのめされる経験は、凝り固まった思考を根底から揺さぶり、自分がいかに狭い常識の中で正解を探していたかを突きつけてきます。
結局、不合格通知を受け取ったとき、私は不思議なほど晴れやかな気分でした。手に入れたのは資格という肩書きではなく、分からなさを楽しむという純粋な好奇心の回復です。仕事においても、私たちはつい最初から正解が約束されたプロジェクトばかりを選びがちです。しかし、本当に世の中を驚かせるイノベーションは、こうした的外れな挑戦や、一見すると無駄に見える敗北の集積から生まれるのではないでしょうか。失敗を恐れて動けなくなるのではなく、あえて失敗の味を知っておくことで、私たちはもっと大胆に、もっと自由に、複雑な現代社会という難問に挑めるようになるのだと確信しました。
私はこれからも、最新の技術を駆使しながらも、自分の中にこうしたあえて負ける勇気や、無駄を愛でる余裕を持ち続けたいと思っています。完璧な設計図を書くだけがエンジニアの仕事ではありません。誰も解き方を知らない問題に対して、不格好でも自分なりの一歩を踏み出し、たとえ転んでもその土の匂いを楽しめる。そんな泥臭い冒険心を持った仲間と、まだ誰も見たことのない景色を創り上げたい。合格だけが価値を決める世界から一歩外へ踏み出して、不確かな未来を一緒に面白がりませんか。