【城間勝行】夜の川沿いで、コードを書くリズムを見つけた話
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夜の川沿いを歩いていると、水面に映る街灯の光が揺れ、静かに流れる川の音が耳に届く。普段のオフィスでは味わえないこの静けさの中で、ふとシステム開発やWebアプリ設計のことを考えていた。独立して少人数チームでプロダクトを作る今、開発のヒントは意外な場所に落ちているものだ。
川の流れは一定のリズムを持っており、上流から下流へ絶えず動き続けている。その流れを見ていると、タスクの進行や情報の流れのイメージが自然と重なる。開発では、一度にすべてを固めるのではなく、仮説を立て、テストを繰り返しながらプロダクトを育てていく。このリズム感は、川の流れを観察していると、自然に身につくのだ。
さらに、川沿いの歩道にはランニングをする人、夜景を眺める人、散歩するカップルがそれぞれのペースで動いている。彼らの歩く速度や立ち止まるタイミングを観察すると、ユーザーがアプリを使うときの行動パターンに通じるものが見えてくる。画面の操作導線や情報の表示タイミングを設計する際に、この観察は非常に役立つ。
川面に映る月明かりが揺れるたびに、コードを書くリズムや関数の流れを思い浮かべる。ある瞬間に閃いたUIの改善点は、川のさざ波と同じく小さくても確実に効果を生む。一つ一つの修正が積み重なり、ユーザー体験をより滑らかにする。少人数チームでの開発は、この繊細なリズムを掴むことが成功の鍵になる。
夜の川沿いで過ごす数十分は、ただの散歩ではない。開発者として、日常の中の小さな動きやリズムを感じ取り、プロダクトに活かすための貴重な時間になる。今日も僕は、静かに流れる川を眺めながら、ユーザーが自然に操作できるUIの設計を思い描く。日常の景色から得る発見が、少人数チームでの開発を前進させる原動力になるのだ。