朝子祐樹Tips⑤「若手エンジニアに必要なのは、最新技術よりも◯◯」という話
Photo by Paul Skorupskas on Unsplash
フリーランスSEの朝子祐樹です。
先日、20代前半のエンジニアから「どの技術を学ぶべきか迷っています」という相談を受けました。React、Next.js、TypeScript、Docker...確かに覚えることは山ほどありますよね。
でも、大手SIerからスタートアップ、そしてフリーランスとして様々な現場を見てきた私が思うのは、
若手エンジニアに本当に必要なのは最新技術よりも「基本的な問題解決能力」だということです。
技術は手段、問題解決が目的
新卒でSIerに入った頃の私は、とにかく技術を覚えることに必死でした。
JavaのAPI、フレームワークの使い方、データベースの最適化...。
でも、スタートアップに転職して気づいたんです。技術はあくまで手段であって、
重要なのは「何の課題を解決するのか」「なぜその技術を選ぶのか」を論理的に説明できることだと。
例えば、あるスタートアップでレスポンス速度の改善を求められた時。
最新のキャッシュ技術を導入する前にまずボトルネックを特定し、データベースクエリの見直しから
始めました。結果、新しい技術を使わずに処理速度を5倍向上させることができました。
問題解決のプロセスを身につける
私が普段意識しているのは以下のステップです
1. 問題の本質を見極める
表面的な症状ではなく、根本原因を探る。ユ
ーザーが「遅い」と言っても何が遅いのか、どの部分が遅いのかを具体的に特定する。
2. 複数の解決策を検討する
一つの答えに固執せず、コスト・時間・メンテナンス性を考慮して最適解を選ぶ。
最新技術が必ずしも正解とは限らない。
3. 小さく試して検証する
いきなり大規模な変更をせず、プロトタイプで効果を確認してから本格導入する。
若手エンジニアへのアドバイス
技術学習も大切ですが、それ以上に以下を意識してみてください
なぜその技術を使うのか説明できますか?
「みんな使ってるから」「流行ってるから」ではなく、
プロジェクトの要件に対してなぜその技術が最適なのかを論理的に説明できる力。
既存のコードから学んでいますか?
新しいライブラリを追加する前に既存のコードベースを理解し、本当に必要な変更なのかを検討する。
ユーザー視点で考えていますか?
技術的には美しいコードでも、ユーザーにとって価値がなければ意味がない。
常にエンドユーザーの課題解決を意識する。
技術は後からついてくる
問題解決能力があれば、必要な技術は後から身につけられます。
逆に、技術だけ知っていても適切な場面で使えなければ宝の持ち腐れです。
フリーランスとして様々なクライアントと働く中で「この人に任せたい」と思われるエンジニアは、
技術力より問題解決力が高い人だと実感しています。
新しい技術を学ぶのは楽しいですが、まずは目の前の課題にじっくり向き合い、
論理的に解決するプロセスを身につけることから始めてみてください。