「お茶くん」— 子どもの夢をそっと応援する、お茶のパッケージデザイン
子どもが選ぶ飲み物といえば、カラフルなジュースや炭酸飲料。
無糖のお茶が選ばれることは、ほんのわずか。
でも、もしお茶に“心”があったとしたら?
それが子どもに「夢を語りかける存在」だったら?
この「お茶くん」プロジェクトは、そんな問いから始まった、子ども向けお茶ブランドのブランディング企画です。
コンセプト設計からロゴ・パッケージ・ポスター展開までをまとめました
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なぜ「お茶」は子どもに選ばれにくいのか?
子どもが選ぶ飲み物は、ジュースや炭酸飲料が中心。
「お茶」はたった1%しか選ばれていません(参考:アメリカ小児科学会)。
その背景には、
• シンプルすぎてワクワク感が伝わらないデザイン
• キャラクターや遊びの要素が少ない
といったビジュアルの課題があります。
「お茶くん」は、
“お茶=地味”というイメージにやさしく問いを投げかけ、
子どもが思わず手に取りたくなる選択肢を目指しました。
ロゴデザインとネーミングの工夫
「お茶くん」という名前は、
“お茶にキャラクターが宿っていたら?”という発想から生まれました。
複数のロゴ案を制作した中で、やわらかさと元気さのバランスが伝わる案②を採用。
手描き風フォルムや茶葉モチーフで、子どもにも安心感のある印象になるよう調整しています。
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参加型ラベルのしかけ
「〇〇ちゃは、〇〇になりたい!」というコピーは、
子ども自身が夢を自由に書ける参加型デザインです。
お茶をただの飲みものではなく、未来への想像力を育てる存在にしたい。
そんな想いを込めました。
ポスターに込めたメッセージ
「私は、〇〇になりたい!」
「僕は、〇〇になりたい!」
このポスターは、子どもたち自身が夢を語る構図でデザインしました。
見上げる目線や背中からは、未来へのまなざしや希望が静かに伝わります。
お茶くんのボトルは、
その夢にそっと寄り添い、応援してくれる存在として描いています。
「飲みもの」ではなく、「気持ちを受け止める存在」としてのパッケージ。
ポスターを通して、そんなお茶くんの役割を視覚的に伝えました。
おわりに
子どもは「飲みもの」を選んでいるようで、
実は、そのパッケージの向こうにある“気持ち”や“世界観”も受け取っているのかもしれません。
「お茶くん」は、そんな小さな心の動きを大切にしながら、
ただ飲むだけでなく、夢や想像力を育てる存在になれたらという願いから生まれました。
身近なプロダクトに、ほんの少しだけ「問い」や「優しさ」を込めることで、
日常はもっとやさしくできると信じています。