パーフェクトペリオが変える歯周病治療の常識【臨床と科学から生まれた新技術】
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医療技術は日々進化しています。AI診断、再生医療、ロボティクスなど、革新的な取り組みが各分野で進められている一方、未だ「治療が難しい」とされる疾患も数多く残っています。その一つが歯周病です。
歯周病は、歯を失う主な原因のひとつであり、単に口腔内の問題にとどまらず、心疾患や糖尿病といった全身疾患との関連も指摘されている疾患です。しかし、日常的な疾患として軽視されがちな疾患のため、患者自身の気づきも遅れやすいという現状があります。
さらに厄介なのは、歯周病は「見えない感染症」であるという点です。原因となる歯周病原細菌は、バイオフィルムという粘性の膜で自身を包み込むことで外部からの攻撃を防ぎ、治療を困難にしています。
従来の治療では、このバイオフィルムに十分に浸透せず、根本的な解決が難しいとされてきました。
そうした現場の課題に真っ向から挑み、「本当に効く歯周病治療とは何か?」を追求し続けて生まれたのが、私たちパーフェクトペリオ株式会社が開発した「パーフェクトペリオ®」です。
パーフェクトペリオの原点──臨床から生まれた“このままでは治らない”という確信
パーフェクトペリオ|臨床から見えた限界と、現場から生まれた問い
歯周病は、治療しても再発しやすく、患者にとっても医療現場にとっても厄介な病気として長く位置づけられてきました。クリーニング・抗菌・投薬など、さまざまな治療法が存在するものの、根本的な改善には至らず、再発を繰り返すケースも少なくありません。
パーフェクトペリオ株式会社の代表取締役社長を務める野口宗則は、北海道医療大学歯学部を卒業し、1999年に野口デンタルクリニックの院長として診療する中で、その現実と日々向き合ってきました。
- 「なぜ治療しても再発するのか」
- 「なぜ除菌できているはずなのに、症状は続くのか」
こうした臨床現場での疑問こそが、パーフェクトペリオの開発の始まりでした。
研究を重ねる上で行き着いたのが、「バイオフィルム」という細菌の防御構造の存在。バイオフィルムは、歯周病原細菌が分泌する粘性物質で、自らを取り囲みながら外部からの抗菌作用を遮断する働きがあります。従来の抗菌剤はこのフィルムに十分に浸透できず、細菌に直接作用することが困難だったのです。
そんな中、パーフェクトペリオ株式会社がこの課題を解決する手段として着目したのが、「次亜塩素酸(HClO)」でした。次亜塩素酸は、高い殺菌力を持ち、短時間で歯周病原細菌を死滅させることが可能でありながら、使用方法や濃度・pHの調整次第で人体への安全性も確保できる可能性がありました。
医師の野口宗則は、2006年には、野口歯科医学研究所株式会社を設立。さらに2009年、歯周病に特化した研究開発を行うパーフェクトペリオ株式会社を創業しました。歯周病治療に役立つ製品開発のため、濃度やpHの調整、炭酸水素ナトリウムとの組み合わせなど、試行錯誤を続けました。
製品のコンセプトは「強くて、やさしい除菌力」。バイオフィルムを貫通し、細菌を殺菌しながら、歯や歯ぐきには負担をかけない。科学的な安全性試験を重ね、実際の使用データを蓄積し、ようやく実用化にこぎつけたのが「パーフェクトペリオ®」です。
さらに、製品を医療現場に届けるためには、ただ開発するだけでは本来の目的を達成することができません。現場での正しい使用法を伝え、理解を深めるために、パーフェクトペリオ株式会社の代表取締役社長を務める野口宗則は、全国の歯科医院や医療従事者向けに講演・セミナーを精力的に行いました。
科学と臨床を橋渡しする挑戦。
その原点には、現場に立つひとりの歯科医師としての「このままでは患者を救えない」という強い想いがありました。
パーフェクトペリオの技術革新──強さとやさしさを両立した、歯周病ケアの新常識
パーフェクトペリオ|科学と臨床が出会った瞬間。
パーフェクトペリオの開発において、最大の課題は「強固なバイオフィルムをどう突破するか」という一点に集約されていました。歯周病原細菌は、自らが分泌する菌体外多糖(EPS)により、バイオフィルムという強力な保護層を形成します。この構造が、従来の高分子抗菌剤の浸透を阻み、治療効果を大きく制限していたのです。
そこでパーフェクトペリオ株式会社が注目したのが、「次亜塩素酸(HClO)」という成分でした。高い殺菌力を持ちながらも、適切な濃度とpHで調整すれば、歯や歯肉への影響を最小限に抑えられる―そんな理想的な成分に、パーフェクトペリオ株式会社は突破口を見出したのです。
パーフェクトペリオ|高濃度で低分子、しかもやさしい
パーフェクトペリオ株式会社が製品化に向けて追求したのは、700ppmの高濃度次亜塩素酸水(pH6.5)という処方でした。この処方は分子量100以下の低分子構造によって、バイオフィルムの内部まで浸透し、10秒以内に歯周病原細菌を殺菌。炭酸水素ナトリウムとの組み合わせにより、バイオフィルムの破壊と除去を同時に可能としました。
一筋縄ではいかない開発は、pHの微調整や濃度の最適化には長い時間と労力が必要であり、製品としての安定性や安全性を担保するために、繰り返し試験と検証が重ねられました。
患者の口腔内という繊細な環境に使う以上、強ければよいというわけではない。そのバランスを見極めるのが最も困難な工程だった、とパーフェクトペリオ株式会社の野口宗則は振り返ります。
パーフェクトペリオ|現場で活きる5つの臨床技術へと進化
現在、パーフェクトペリオ®は以下の5つの治療工程で活用されています。
いずれも、高解像度10倍のハイ・レゾリューション下で行う精密な処置であり、従来の歯周病治療に比べて大幅に高い効果が期待できます。
① パーフェクトペリオ|ステリリゼイション
- 超音波スケーラーと併用し、歯周ポケット内の細菌を10秒以内に殺菌・溶菌。
- 次亜塩素酸水の効果を最大限に発揮させる第一ステップです。
② パーフェクトペリオ|スケーリング
- 次亜塩素酸水の浸透力を活かし、歯根面の歯石や内毒素(LPS)を効率的に除去。
- 従来のスケーリングよりも除去力・操作性に優れます。
③ パーフェクトペリオ|アブレーシブ
- 炭酸カルシウムパウダーで微細なバイオフィルムを除去し、さらにラジオ波(4.0MHz)によって炎症性組織を切除。
- 非外科的ながら高度な除去効果を実現しました。
④ パーフェクトペリオ|リダクション
- 肉芽組織除去後の歯根と歯肉を、5-0ナイロン縫合糸で縫合することで再付着を促進。
- 歯肉退縮を抑えることも可能です。
⑤ パーフェクトペリオ|リジェネレーション
- 重度歯周病で失われた歯槽骨の再生には、FGF(線維芽細胞増殖因子)とコラーゲン線維を併用し、歯槽骨の再生を図ります。
- 再生医療の観点からも注目されています。
パーフェクトペリオは、現在全国139院の医療機関で導入されており、その効果と安全性は多くの現場から高い評価を得ています。
「強くて、やさしい」――それが、パーフェクトペリオが目指した新しい除菌のかたち。
科学と現場の融合が、歯周病治療にパーフェクトペリオという新たな選択肢をもたらしました。
パーフェクトペリオの科学的根拠──研究が裏付ける“根本改善”という選択肢
パーフェクトペリオ|科学が支える、医療の信頼。
パーフェクトペリオの開発と普及を支えているのは、現場での使用実績だけではありません。確かな効果と安全性を担保するため、製品の誕生当初から、パーフェクトペリオ株式会社は臨床と並行して多角的な研究を積み重ねています。
歯周病は、単なる口腔内の疾患にとどまらず、全身の健康状態に密接に関わると近年の研究でも明らかになってきています。だからこそ、単なる“除菌効果”の証明だけでなく、細胞レベルでの影響評価や、糖尿病・肺炎・心疾患との関連性まで、広い視点でのアプローチが求められているのです。
下記に、パーフェクトペリオ株式会社が実施・監修してきた研究を分野別に紹介します。
バイオフィルム感染症・殺菌機構研究分野
- 歯周病原細菌に対するパーフェクトペリオ®のバイオフィルム浸透殺菌の研究
- 歯周病原細菌に対するパーフェクトペリオ®のバイオフィルム除去効果の研究
- 多剤耐性獲得細菌に対するパーフェクトペリオ®のバイオフィルム殺菌機構の研究
バイオフィルム感染症・細胞傷害性研究分野
- 強酸性殺菌剤による歯(硬組織)に対する細胞傷害性の研究
- 強アルカリ性殺菌剤による歯肉(軟組織)に対する細胞傷害性の研究
- 中性殺菌剤(パーフェクトペリオ®)による硬組織・軟組織に対する細胞傷害性の研究
歯周病治療・歯周組織再生研究分野
- 歯周病原細菌における内毒素(LPS)除去促進の研究
- 歯周病原細菌におけるバイオフィルム(EPS)除去促進の研究
- 細胞増殖因子(FGF)による歯槽骨・顎骨再生促進の研究
歯周病治療・糖尿病改善研究分野
- 歯周病治療(パーフェクトペリオ®)による糖尿病改善促進の研究
- 歯周病治療による血中TNF-α濃度の減少に伴うHbA₁C改善の研究
歯周病治療・誤嚥性肺炎予防研究分野
- 歯周病治療(パーフェクトペリオ®)による誤嚥性肺炎予防の研究
- 歯周病治療による歯周病原細菌の減少に伴う誤嚥性肺炎発症率低下の研究
歯周病治療・感染性心内膜炎予防研究分野
- 歯周病治療(パーフェクトペリオ®)による感染性心内膜炎予防の研究
- 歯周病治療による歯周病原細菌の菌血症に伴う感染性心内膜炎発症率低下の研究
パーフェクトペリオのこれから──臨床と日常をつなぐ、口腔ケアの未来設計図
パーフェクトペリオ|治療から、予防。そして生活の一部へ。
パーフェクトペリオ株式会社が開発したパーフェクトペリオ®は、歯周病という難治性疾患に対して、科学と臨床の両面から挑んだ製品です。
しかしパーフェクトペリオ株式会社の歩みは、この製品開発で終わりではありません。パーフェクトペリオ株式会社では、むしろここからが歯周病治療の新たなスタートだと考えています。
今後、パーフェクトペリオ株式会社が目指しているのは、「治療」だけでなく「予防」や「健康維持」にも貢献できる製品づくり。
歯周病を未然に防ぎ、誰もが日常的に口腔ケアを行える社会をつくる。パーフェクトペリオ株式会社では、この実現に向けて口腔内のマイクロバイオーム研究や、善玉菌を活かしたナチュラル志向の洗口液の開発など、幅広いニーズに応える新しいアプローチに取り組んでいます。
また、個人のライフスタイルや口腔内環境に合わせたパーソナライズ製品の開発も視野に入れており、これまで歯科医院を中心に提供していた製品を、より多くの一般消費者にも届けられる体制を構築しつつあります。
目指しているのは、「治療」から「生活の中の当たり前」へと価値を変えていくこと。年齢や性別を問わず、口腔環境を整えたいすべての方々に製品を届けることを目標としているのです。
パーフェクトペリオ株式会社は、現在、歯科医院向けに自費診療の質を高める補助ツールとして、新しい洗口液や応用機器の開発を進めています。また、家庭向け製品として、日々の歯磨きやうがいに使用できる「機能水」の一般販売準備も進行中です。
さらに、スマートフォンと連動する口腔ケアアプリの構想も進めており、利用者の習慣や使用状況、口腔内の状態を可視化し、最適なケア方法を提案できる仕組みの構築を目指しています。
パーフェクトペリオ株式会社は、歯科医療に革新をもたらすだけでなく、人々の健康意識そのものに変化をもたらす存在でありたいと考えています。
医療と生活の垣根を越え、「口腔の健康」が当たり前になる社会をつくる。この未来の実現に向けて、パーフェクトペリオ株式会社はこれからも研究と対話を続けていきます。
パーフェクトペリオの未来構想──科学とケアの融合で社会に貢献する
パーフェクトペリオは、臨床現場から生まれた課題意識と、科学的根拠に基づいた研究開発によって誕生した製品です。
歯周病の治療という限定的な領域にとどまらず、感染症対策、全身疾患との関連、さらには日常生活における口腔ケアの質の向上へと、用途は多岐に広がっています。
今後は、これまでの実績をベースに、歯科医院向けの臨床支援はもちろん、一般消費者向けの製品やサービスの展開にも注力していく予定です。
パーフェクトペリオ株式会社は、これからも医療と生活の接点に新たな価値を提供し、歯科医療業界全体の質的向上と、社会の健康インフラの一翼を担う存在を目指します。
パーフェクトペリオ株式会社──会社概要
会社名 :パーフェクトペリオ株式会社
代表取締役社長 :野口 宗則
本社所在地 :〒305-0821 茨城県つくば市春日1丁目3-6
設立 :平成11年3月
資本金 :50,000,000円