書籍を出版して思うこと
このたび、デザインからサイト構築まで FigmaだけでWeb制作 という書籍を、日経BPさんから出版しました。普段の仕事の延長で積み重ねてきたことを、書籍という形で残せる機会をいただけたこと自体が、ありがたい出来事だったなと思っています。
この本は、Figmaを使ってデザインをつくるところから、サイトとして形にしていくところまでを、一冊の流れで見られる内容です。Figmaはここ数年で役割が大きく広がってきて、単なるデザインツールとしてだけでは語れなくなってきました。だからこそ、これから学ぶ人にとっても、すでに使っている人にとっても、今の時代らしい入口になる本を目指しました。
ただ、制作中はかなり難しかったです。理由はいくつかあって、まずツールの変化が本当に早いこと。そして今回は共著だったので、個人で完結する制作とは違い、全体の進行スピードや整合性も強く求められました。私は本格的な書籍執筆が初めてだったこともあり、書くことそのものの難しさに加えて、どこまで噛み砕くか、どこを省かないか、読み手のつまずきをどう先回りするか、といった判断に何度も悩みました。
それでも、この経験は確実に糧になったと思います。締切のある中で言語化する力、他の方と視点を合わせて一冊をつくる力、そして自分の知識を読み手の順番に並べ直す力は、普段のデザインや講師の仕事にもそのまま返ってきています。
改善点を挙げるとするなら、もっとリサーチがしたかったです。どうせ鮮度の影響を受ける本なら、もっと鮮度が高い状態に振り切ってもよかったかもしれない、という気持ちは今もあります。あとは、普段の仕事と執筆と営業をすべて同時進行でうまくこなすことができませんでした。実際、執筆期間中に首のリンパが腫れるという人生初の経験をして、大きく体調を崩しました。自分のキャパシティの見積もりや、休む判断の大切さを痛感しました。
とはいえ、その時の自分なりに、できる限りの最善は尽くせたと思っています。完璧ではなかったとしても、あの時点で出せるものは出し切った、という感覚はあります。
出版後は、全国各地で登壇の機会もいただいています。デジタルハリウッドさん、バンタンさん、クリーク・アンド・リバー社さんなど、協力くださった会社様のおかげで、多くの参加者の方と出会うことができました。イベントごとに集まる方の温度感もキャラクターも違って、それがとても面白いです。実務に近い視点を求める方もいれば、まず一歩踏み出す勇気がほしい方もいる。同じテーマでも、届く言葉は少しずつ変わるのだなと感じています。
本を出して終わりではなく、そこから人と出会い、話し、また自分の言葉が磨かれていく…というこの循環が、ありがたいです。参加してくださった方に、少しでも前向きな影響を渡せていたら嬉しいです。