こんにちは!新潟でフリーランスの映像クリエイターをしている大嶋です。
僕は普段、企業様のプロモーション動画やイベント映像を制作していますが、この時期は特に「企業の顔」となるキーマンの方々を取材させていただく機会が増えます。
カメラを回す僕の目の前にいるのは、一見するとただの「取材対象」かもしれません。でも、僕の目に映るのは、その方々がこれまで築き上げてきた歴史や、情熱、そして未来へのビジョンです。まるで、その方々一人ひとりが、一つの壮大な物語の主人公のように見えるのです。
先日、ある老舗の食品メーカーの社長様を取材させていただきました。創業から100年以上の歴史を持つその会社は、時代の変化に合わせて何度も大きな決断を繰り返してきたそうです。社長様が語る言葉の端々からは、ご先祖様への敬意、社員への深い愛情、そしてお客様への感謝の気持ちがひしひしと伝わってきました。
僕がカメラを構える先に映っていたのは、単に「社長」という肩書を持つ人ではありませんでした。それは、会社という物語を100年以上にわたって紡いできた、一人の「物語の作り手」でした。
僕はその場で、この物語をどう映像で表現するかを瞬時に考えます。社長様の言葉を、どんな映像で補完すれば、視聴者により深く伝わるだろうか? 過去の写真を挿入する? それとも、商品の製造工程を丁寧に追うことで、想いを可視化する?
僕たち映像クリエイターの仕事は、ただ美しい映像を撮ることだけではありません。カメラの先にいる「物語の作り手」から、その物語を正確に受け取り、視聴者に感動と共に届けること。それが僕たちの使命だと感じています。
また別の日は、立ち上げたばかりのIT企業の若き経営者の方を取材しました。熱意に満ちたその方は、新しいサービスを通して世の中をどう変えたいか、目を輝かせながら語ってくださいました。
その方の言葉からは、まだ見ぬ未来への期待と、少しの不安、そして何よりも「挑戦」というエネルギーが満ち溢れていました。彼もまた、新たな物語を今まさに書き始めている「物語の作り手」です。
僕はそのエネルギーを、どのように映像に落とし込むか必死に考えました。テンポの良いカット割り、躍動感のあるBGM、そして未来的なモーショングラフィックスを駆使して、彼の情熱を映像全体で表現しようと試みました。
僕たちが作る動画は、多くの場合、企業の「顔」となります。その顔を作る過程で、僕はたくさんの「物語の作り手」に出会います。そして、彼らが紡ぐ物語に触れるたびに、僕自身もまた、その物語の一部として、新たな一歩を踏み出す勇気をもらっています。
これからも、カメラの先に映るたくさんの「物語の作り手」たちの想いを、一人でも多くの人に届けるため、一つ一つの映像に心を込めて向き合っていきたいと思います。