<大嶋淑之・新潟>失敗動画、納品しました。
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「これ…使えないですよね?」
納品した映像を見たクライアントの、正直すぎる一言。
僕の心は軽く崩れた。フリーランス初期の頃の話だ。
機材は完璧、構図も問題なし。だけど、「伝わらない」。
その動画には、クライアントの伝えたかった“温度”がなかった。
映像って、ただキレイなだけじゃ意味がない。
相手の空気、現場の匂い、言葉の奥にある想い。
そういう“見えない情報”を拾わないと、人の心は動かせない。
あの日、僕はそれを思い知らされた。
その後、僕は打ち合わせの時間を2倍にした。
「なぜこの動画を作るのか?」を、とにかく聞き出すようにした。
現場にもできるだけ足を運んだ。雑談もした。笑い話も聞いた。
結果、「前より感情が伝わってくる」と言われる映像が作れるようになった。
“使えない動画”が、自分のターニングポイントになったんだ。
映像制作って、技術より「聞く力」だと思ってる。
カメラを回す前に、相手の心にピントを合わせる。
そんな仕事を、これからも続けていきたい。