佐々木健二が見た“空間で変わるチーム力”──DIYで実現した職場改善のリアル
ただ「おしゃれ」なだけでは、良いオフィスとは言えない。社員のリアルな声を起点に、DIYとインテリアデザインの力で“働く場”を再設計した経験を通して見えたのは、「空間が人を動かす」こと。チームの関係性を変え、企業文化を育てるオフィスとは? そのヒントをお届けします。
私、佐々木健二は単なる内装工事ではなく、現場の声やブランドらしさを反映させた、“働く人が主役”のデザインを心がけています。今回お話しするのは、とあるIT企業で実施したオフィスリニューアルのプロジェクト。「社員の声から始める空間改善」は、どの企業にも活用できるヒントが詰まっています。
■“おしゃれ”よりも大切なのは、「働きやすさ」
依頼主は、東京都内にある社員20名ほどのIT企業。
一見するとモダンで整った空間でしたが、社員アンケートからはこんな声が──
・雑音が気になり集中しづらい
・気軽に相談できる場所がない
・休憩スペースが落ち着かない
課題は「空間の見た目」ではなく、「働く体験」そのものでした。
つまり、デザインは目的ではなく、働き方を支える手段だということを再認識させられたのです。
■DIY+社員参加で、空間に“自分ごと感”を
私はこのプロジェクトで、「社員も手を動かす空間づくり」を提案しました。
具体的には以下のようなDIYプロセスを取り入れました。
・木材を使ったパーテーションづくり(集中スペース用)
・キャスター付きミーティングテーブルの組立
・社内掲示板の黒板ペイント
・ラウンジの壁をリメイクシートで一新
社員が「つくる側」として関わることで、空間への“当事者意識”が自然と育ちます。
自分たちで作った空間だからこそ、大切に使われ、活発なコミュニケーションが生まれました。
■空間が変わると、チームの動きが変わる
改装後、特に印象的だったのは「会話の量が増えた」という変化です。
DIYした掲示板に社内イベントの話題が集まり、ミーティングスペースでは部署を越えた相談が頻繁に。
空間が変わると、人と人との距離も変わる──それを実感した瞬間でした。
こうした“見えない効果”こそ、空間デザインの本質的な価値だと私は思っています。
■働く場所は、企業文化の器になる
空間づくりには、会社のビジョンや価値観がにじみ出ます。
業種や規模に関係なく、社員が気持ちよく働ける環境づくりは、採用・定着・生産性すべてに直結します。
私は今後も、単なるデザインではなく、**人と組織に“効く空間”**を目指して、DIYとデザインの力を活かしていきます。
さいごに
オフィスや職場は、ただの「働く場所」ではありません。
そこは、企業の顔であり、人が集い、動き、つながる場。
その空間を、社員とともにデザインすることで、企業の未来も一緒に育てていけると信じています。