クルージングヨット教室物語231
Photo by Daniel B. Herrmann on Unsplash
「セイルを出して、セイリングをしようか」
隆は、香織たちに言った。
「了解!」
香織は、マストのところへ移動すると、セイルを出す準備に入った。
「香織、おまえがやるんじゃなくて、明子ちゃんに教えてやるんだぞ」
隆は、香織に言った。
「わかった。私が先生をすればいいのね」
香織は答えた。
「明子ちゃん、こっちに来て、一緒にメインセイルを出そう」
香織は、コクピットに座っていた明子のことを呼んだ。
「何をしたらいいの?」
明子は、興味津々だった。
「ここを引っ張ってくれる。あ、それともウインチハンドルを回してもらおうかな」
香織は、明子にウインチハンドルを手渡して、ウインチの回し方を教えた。
「え、すごい!」
明子は、セイルがマストを伝って、上に上がっていく姿を眺めて感動していた。
「見ているだけじゃセイルは上がらないからね」
香織は、セイルを眺めていた明子に言った。
「そのウインチハンドルでぐるぐる回してね」
香織に言われて、明子はウインチハンドルでウインチを回した。
「あ、上がった!」
「うん。それは上がるよ、だって香織ちゃんが回してくれているから」
「え、もしかしてここが回っているから上に上がっているの?」
「それはそうよ」
香織が笑顔で答えた。
「ジブも出そうか」
隆の合図で、雪がジブファーラーを操作すると、ジブセイルも前方に大きく広がった。
「うわ、すごい」
香織は、前方に広がっているジブセイルに感動していた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
東京国際ボートショー開催中の横浜マリーナではクルージングヨット教室生徒募集中!