クルージングヨット教室物語226
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「帰りましょう」
麻美子は、ラッコの入り口の鍵を閉めながら皆に言った。
「明子ちゃんの家は、どこに住んでいるの?」
香織が明子に聞いた。
「鶴見」
「鶴見に住んでいるのか。それじゃ、帰りは家まで車で送ってあげよう」
隆が明子に言った。
「鶴見のどの辺なの?」
麻美子が明子に聞いた。
「ええーと」
明子がうまく返事できないでいた。
「鶴見の駅で降りて、バスに乗るの」
「バスなんだ。どこ行きのバスに乗るの?」
「ええーと、6番ってバスに乗るの」
明子が隆に答えた。
「場所の名前とかはわからないんだ」
「わからない。いつも6番のバスに乗っているから」
「普段、バスとか電車で移動している人ってそんなものかな」
隆が納得した。
皆は、横浜のマリーナの駐車場に行くと、そこに停まっていた隆のエスティマに乗った。
「どうやって、明子ちゃんの家まで運転したらいいかな」
麻美子は、運転席に腰掛けながら、明子に聞いた。
「鶴見駅に行って、6番のバスの行き先を調べたほうが良いかな」
「ううん。道を見れば、どっちに曲がったら良いかとかはちゃんとわかるよ」
明子が答えた。
「お家の住所とかわからないの」
「スマホに入っていると思う」
明子は、自分のスマホを操作すると、自分の家の住所が入っている連絡帳を開いた。
「この住所ってさ、私の通っている学校の近くかも」
香織は、明子からスマホを見せてもらって答えた。
「私、学校の先生しているのね」
香織が明子に言った。
「鶴見の養護学校って知ってる?」
「うん、知ってる!うちのすぐ近くにある」
明子は、香織に答えた。
「私、毎日養護学校に学校の先生をしに来ているんだよ」
香織は、明子に説明した。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
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