クルージングヨット教室物語224
Photo by The New York Public Library on Unsplash
「ねえ、ケーキを食べない?」
麻美子は、皆に話しかけた。
「ね、明子ちゃんはケーキとか好き?」
麻美子は、ロープを一生懸命結んでいた明子に聞いた。
「ケーキ?」
「うん、ケーキとか好き?」
「はい、大好きです」
明子が麻美子に答えた。
「良かった!じゃあ、ケーキを食べよう」
麻美子は、キッチンの前に立って、お茶を沸かしながら、明子に言った。
「私も手伝う」
香代が、麻美子のケーキの準備を手伝っていた。
「知ってる?明子のために、麻美子が中目黒から買って来たケーキなんだぞ」
隆が、明子に伝えた。
「そうなのよ。新しい人が来るからって、昨日中目黒のケーキ屋さんに行って買ってきたのよ」
麻美子は、お茶を淹れながら、明子に話しかけた。
「もうロープのことは忘れて、お喋りしようよ」
隆は、ずっとロープを必死で結ぼうとしている明子に言った。
「めちゃ真面目な性格でしょう?」
隆は、明子に聞いた。
「そうだよね。ずっとロープを結んでいるものね」
陽子も、ずっとロープを結んでいる明子の姿を見て言った。
「そういえば、去年のクルージングヨット教室の初日でラッコに来た時は、ほぼ誰もロープの結び方の復習とかしていなかったよな」
「そうだね。なんかずっとお喋りしかしていなかったよね」
「麻美ちゃんがケーキ出してくれて、ただただ喋っていたことしか覚えていないよ」
雪が言った。
「それに比べると、今年の生徒は真面目だよな」
隆は、ずっとロープを結んでいる明子のことを褒めていた。
「ぜんぜん上手く結べなくて・・」
明子は、隆に褒められて嬉しそうにしながら、答えていた。
「大丈夫、何回も結んでいるうちに、普通に結べるようになるから」
隆は、明子に言った。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
東京国際ボートショー開催中の横浜マリーナではクルージングヨット教室生徒募集中!