「先週、ジュニアヨット教室の先生をやったんだって?」
隆は、瑠璃子に聞いた。
「ちゃんと教えられたの?」
隆は瑠璃子に確認した。
「教えられたよ!流石に小学生相手だから」
瑠璃子が答えた。
「ヨットのことというか、艇庫からヨットを出して艤装のやり方とか、一緒に運んであげたりだから」
陽子が隆に補足した。
「クラゲ事件とかね」
「クラゲ事件?」
隆は瑠璃子に聞き返した。
「柄杓で海のクラゲを掬って、なんだか追いかけっこしたりしたの」
「男の子たちが、女の子にクラゲで威したりしてるのよ」
陽子たちが、先週の出来事を隆に説明した。
「へえー、麻美子が絶対に喜びそうなことじゃん」
「女の子のことをクラゲで追いかけ回したりしているから、柄杓の中のクラゲがびっくりしちゃうから、あんまり揺らしたらだめだよとかね」
「優しくしてあげようねって言ったら、キットカット食べるかなって、自分で持っていたキットカットをクラゲに上げてみたりとか」
陽子が隆に説明した。
「いやーん、可愛い!キットカットをあげたんだ」
麻美子は、陽子の説明を聞いて、嬉しそうに答えた。
「ジュニアヨット教室は、絶対に麻美子に合っているよ」
「そうだよね。私に子供ができたら、絶対に自分の子供をジュニアヨット教室に通わせるわ」
麻美子は、隆に答えていた。
「良いよね?子供をジュニアヨット教室に通わせても」
「良いんじゃないの」
隆は、麻美子に答えた。
「ジュニアヨット教室ってさ、各地域の子供同士で全国でヨットレースするんだよね。そういう時は、子供だけじゃなくて親も付き添いで各地に遠征に行くんだよ」
隆は、ジュニアヨット教室のイベントを説明した。
「車の屋根に、子供が乗るヨットを載せて、子供と一緒に遠征先のヨットレース会場に行ったりするから、その時は全国の民宿とか泊まったりするんだ」
「そうなんだ」
麻美子は、隆に返事した。
「その時は、隆も子供を連れて遠征に行ってくれる?」
「なんでよ、麻美子の子供の話だろう」
「別に良いじゃない。仕事の予定とかあえば、うちの子供に隆もヨットのことを教えてあげてよ」
麻美子が隆に言った。
「麻美ちゃんの子供ならきっと可愛いと思うよ」
「そうかもな、そしたら、俺にはたぶん一生、自分の子供なんか出来ないと思うから、麻美子の子供を自分の子供と思って可愛がってやるかな」
「うん。そうしてあげてよ」
陽子が隆に答えていた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
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