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クルージングヨット教室物語215

Photo by CHEN JIAN on Unsplash

「先週、ジュニアヨット教室の先生をやったんだって?」

隆は、瑠璃子に聞いた。

「ちゃんと教えられたの?」

隆は瑠璃子に確認した。

「教えられたよ!流石に小学生相手だから」

瑠璃子が答えた。

「ヨットのことというか、艇庫からヨットを出して艤装のやり方とか、一緒に運んであげたりだから」

陽子が隆に補足した。

「クラゲ事件とかね」

「クラゲ事件?」

隆は瑠璃子に聞き返した。

「柄杓で海のクラゲを掬って、なんだか追いかけっこしたりしたの」

「男の子たちが、女の子にクラゲで威したりしてるのよ」

陽子たちが、先週の出来事を隆に説明した。

「へえー、麻美子が絶対に喜びそうなことじゃん」

「女の子のことをクラゲで追いかけ回したりしているから、柄杓の中のクラゲがびっくりしちゃうから、あんまり揺らしたらだめだよとかね」

「優しくしてあげようねって言ったら、キットカット食べるかなって、自分で持っていたキットカットをクラゲに上げてみたりとか」

陽子が隆に説明した。

「いやーん、可愛い!キットカットをあげたんだ」

麻美子は、陽子の説明を聞いて、嬉しそうに答えた。

「ジュニアヨット教室は、絶対に麻美子に合っているよ」

「そうだよね。私に子供ができたら、絶対に自分の子供をジュニアヨット教室に通わせるわ」

麻美子は、隆に答えていた。

「良いよね?子供をジュニアヨット教室に通わせても」

「良いんじゃないの」

隆は、麻美子に答えた。

「ジュニアヨット教室ってさ、各地域の子供同士で全国でヨットレースするんだよね。そういう時は、子供だけじゃなくて親も付き添いで各地に遠征に行くんだよ」

隆は、ジュニアヨット教室のイベントを説明した。

「車の屋根に、子供が乗るヨットを載せて、子供と一緒に遠征先のヨットレース会場に行ったりするから、その時は全国の民宿とか泊まったりするんだ」

「そうなんだ」

麻美子は、隆に返事した。

「その時は、隆も子供を連れて遠征に行ってくれる?」

「なんでよ、麻美子の子供の話だろう」

「別に良いじゃない。仕事の予定とかあえば、うちの子供に隆もヨットのことを教えてあげてよ」

麻美子が隆に言った。

「麻美ちゃんの子供ならきっと可愛いと思うよ」

「そうかもな、そしたら、俺にはたぶん一生、自分の子供なんか出来ないと思うから、麻美子の子供を自分の子供と思って可愛がってやるかな」

「うん。そうしてあげてよ」

陽子が隆に答えていた。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など

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