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クルージングヨット教室物語204

Photo by Chen Siyu on Unsplash

「おはようございます」

隆は、ラッコに戻ると、起きてデッキに出て来た中村さんとマッキーの人たちに挨拶した。

「昨日は、本当によく飲んだよ」

「確かに、ぐっすり眠ってましたものね」

隆は、マッキーの面々に苦笑していた。

「今日も風は全然無さそうですよ」

「ね、ここから見ても、海はベタって凪いているのがわかるよ」

阿部さんが隆に答えた。

「どこか遊びに行くんですか?」

「いや、もうこのまま帰るよ」

マッキーは隆に答えた。

「昨日到着したばかりだから、午前中ぐらいはどこかに遊びに行くのかと思った」

「いや、帰りが遅くなってしまうもの。朝から出航するよ」

マッキーは答えた。

「ラッコは、クルージング先でもしっかりあっちこっち観光して周っているよな」

「そうですね」

「やっぱ、地元であっちこっち行ってクルージングする方が良いんだよ」

「うちらのように、港で1泊だけして帰ってしまうより、しっかり地元でお金を落として行くクルージングの方が地元にも貢献できるからね」

隆は、マッキーの人たちに褒められていた。

「あれ、アクエリアスなの?」

隆と陽子、瑠璃子がアクエリアス上で艤装の準備をしていたのを見て、マッキーの人たちが言った。

「そう、今回のクルージングは2艇に別れて保田まで来たんです」

隆が笑顔で答えた。

「あれ、じゃあ、ラッコのボースンは誰?あ、麻美ちゃんか」

「え、いや、あれはただのお飾り」

隆は、ラッコのデッキ上の香代を指差しながら、阿部さんに答えた。

「ラッコは1艇でメンバーの人数多いものな。そういう風に別れたんだ」

阿部さんが答えた。

阿部さんも本来は横浜のマリーナに停泊しているステラマリスという30フィートのヨットだ。マッキーは、本来のマッキーのメンバーと他に横浜のマリーナにヨットを停泊している何艇かのオーナーで寄せ集めで保田までクルージングに来ていた。

「それじゃ、先に行きます」

隆は、香代が無事にラッコをポンツーンから離岸、出港するのを見届けると、アクエリアスを操船して保田の港を離れた。

「俺たちも、すぐに出るよ」

阿部さんがマッキーの出航準備しながら、隆に声をかけた。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など

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