「桜がきれい!」
朝、麻美子は漁港の周りを歩きながら呟いた。
「もう桜が咲いているんだね」
「うちの周りでも、すでに咲いている公園あるよ」
瑠璃子が麻美子に言った。
「そうなんだ。中目黒はまだ咲いていなかったな」
「麻美ちゃんのところは、東京で有名な桜の名所だものね」
「川の周りどこも殆どまだ咲いていない」
麻美子は、中目黒の河川を思い出しながら、瑠璃子にいった。
「香代ちゃんは桜とか好き?」
「うーん、きれいとは思うよ」
麻美子の横を歩いていた香代が答えた。
「きれいとは思うってことは、それほど好きってわけでも無いのね」
麻美子は、香代の手を握りながら笑っていた。
「私も、桜はあんまり好きではないよ」
香織が言った。
「そうなの」
「うん、桜っていうか桜の花びらが嫌いかな。私って花粉症がひどいのよ」
香織が麻美子に答えた。
「あ、それは私も少しあるかも」
陽子が言った。
「そんなに花粉症がすごくひどいってわけではないんだけどね」
「花粉症って、三半規管が影響するらしいよ」
雪が言った。
「三半規管って船酔いとかしやすい、しにくいって器官でしょう」
「だから、隆って花粉症に強いのかな」
麻美子が言った。
「船酔いに強いと三半規管も強いから花粉症にも強いっていうのはあるかもね」
「そうなんだ」
麻美子が答えた。
「そうか。それでかな、私、ヨットに乗るようになったからか、いつもの年よりも花粉症の影響が少ない気がする」
香織が答えた。
「そうか。それじゃ、花粉症が弱い人は皆、ヨットに乗れば良いんだな」
隆が言った。
「そうとは限らないけどね」
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
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