「次、マザー牧場だよ」
麻美子が、座席で眠ってしまっていた隆を起こしていた。
電車からバスに乗り換えたりせず、保田の駅前から直行のバスに乗れたので、バスの中でウトウトしてしまっていたようだ。
「はい」
昨夜遅くまで飲んでいた雪も、中村さんもウトウトしてしまっていたので、麻美子の声に慌てて起き上がっていた。
「おお、マザー牧場!」
バスを降りると、表の入り口に大きくマザー牧場と書かれた看板が掲げられていた。
「入場券を買ってくるね」
麻美子は、香代と一緒に入場券売り場に並んでいた。
「何、あの汽車にも乗れるのか」
隆は、園内の道を走っている汽車の姿を見つけた。
「あれが遊園地の部分なんじゃないの」
香織が言った。
「俺のいつできるかわからない子供よりも、香りの方がここ良いんじゃないの」
「私?早く結婚しろって」
「いや違うよ。学校の先生だろう、生徒たち連れてきてあげたら喜ぶんじゃない」
「そうだよね」
陽子も香織に聞いた。
「確かに」
香織は、2人に答えた。
「千葉の養護学校だと、たまにマザー牧場へ遠足とかあるみたいよ」
香織は答えた。
「うちの養護学校は鶴見だし、横浜市だからマザー牧場までの予算は出ないんじゃない」
香織は言った。
「せいぜい、こどもの国ぐらいかな」
「香織の養護学校って公立?」
「うん」
「そうか。それは千葉までの予算は出ないよね」
入場券を買いに行っていた麻美子が戻ってきた。
「さあ、中に入りましょう」
皆は、麻美子の後に続いて、園内へ入った。
「どうしようか」
「どこから周っていく」
皆は、園内に入ってすぐのところにある木材でできた園内マップを眺めていた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
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