クルージングヨット教室物語193
Photo by Victory Shen on Unsplash
「それじゃ、出かけますか」
隆は、朝食を食べ終えて、片付け終わってから皆に言った。
「それじゃ、お出かけする準備をしましょう」
麻美子が言った。
「おでかけの準備って?なんか着替えた方が良いかな?メイクとかした方が良い?」
陽子が瑠璃子に聞いた。
「陽子ちゃんたちは、若いし別にメイクなんてしていかなくても良いわよ」
麻美子が答えた。
「私はもうおばさんだから、少しだけメイクしていくけど」
「え、服装は?」
「服装は別に今の、その格好で良いんじゃない」
麻美子は、陽子に答えた。
「準備しようか」
麻美子は、香代と一緒に船尾のキャビンに入った。
「私、もうこれで良いわ」
陽子は、メイクもせず、そのままの格好でキャビンから出た。
「麻美ちゃんに若いからって言われたから、メイクするのやめたの」
「うん。でも、香織ちゃんだってメイクしてないでしょう」
陽子が、香織の顔の肌を確認しながら聞いた。
「私は、全然してない。普段から学校の先生だし、厚化粧にならないようにしてる」
「まあ、私もしてないけどね」
瑠璃子が言った。
「そうだよな。うちのラッコは皆、メイクなんてしていないよ」
隆が言った。
「麻美ちゃんぐらいかな」
「麻美子だって、メイクは全然してないよな」
隆が言うと、
「麻美ちゃんはメイクちゃんとしているよ」
「いつもきちんと綺麗にしているじゃん」
と皆から突っ込まれていた隆だった。
「ほら、そういうところがダメなんだよ」
雪が、隆の耳元で囁いた。
「麻美ちゃんのそういうとこ、ちゃんと気づいてあげなきゃダメよ」
「はい・・」
隆は、雪に言われて黙って頷いていた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
東京国際ボートショー開催中の横浜マリーナではクルージングヨット教室生徒募集中!