「おはようー」
陽子が起きてきて、麻美子に挨拶した。
「おはよう」
麻美子は、欠伸をしながら朝ごはんの準備をしていた。
「なんか眠そう、もしかして寝ていないの?」
「寝たよ。明け方の3時ごろかな」
「そんなに起きていたの?」
「だって、中村さんったらお酒とお話が盛り上がってしまってて」
麻美子は、陽子にタクシーで戻ってきた後のことを話していた。
「雪ちゃんは、一緒にお酒も飲んでいたんでしょう」
「うん。お店で隆がもらってきた紹興酒を一緒に飲んでいた」
「それじゃ、麻美ちゃんだけシラフでずっと付き合っていたんだ」
「シラフではないけど」
麻美子は、陽子に答えた。
でも、いつものあの量だと麻美ちゃんは殆どシラフみたいなものじゃないと、陽子は麻美子と話しながら思っていた。
「あれ、そういえば・・」
麻美子は、陽子が寝ていたダイニングサロンのカーテンをそっと開けて中を覗きこんだ。
「あ、瑠璃ちゃんはまだ寝ているんだ」
フォアデッキでは、雪がまだ寝ていた。中村さんは、自分の船に戻って寝ている。
「香代ちゃんと香織ちゃんはもう起きているよ」
「そうなんだ。どこにいるの?」
陽子が、麻美子に聞いた。
「隆と一緒に、漁港内をお散歩している」
麻美子は答えた。
「ね、もしまだ眠かったら、寝ていたら?」
「ううん、大丈夫」
「別に、マザー牧場は行かなくても良いよ」
陽子が言った。
「ぜんぜん大丈夫よ。それに、マザー牧場は陽子ちゃんは行かなくてもいいかもしれないけど、香代ちゃんが行って見たいのだもの」
麻美子が答えた。
「私も、香代ちゃんと一緒にマザー牧場へ行ってみたいし」
麻美子は笑顔で陽子に微笑んだ。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
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