1
/
5

クルージングヨット教室物語175

Photo by Johnny on Unsplash

「まだ夜も少し涼しいし、ヨットで寝るのも寒いから近場にしようか」

「そうだね。千葉の保田ぐらいかな」

隆と陽子は話していた。

春分の日の朝の横浜のマリーナでのことだった。

「中村さん、春とはいっても、まだ夜とかは涼しいですし、あまり遠出はしないで保田ぐらいにしようかと思うのですが」

「うん、隆くんに任せるよ」

中村さんとの協議の結果、春のクルージングは保田に決まった。

「今日は、子供ヨット教室っでやっていないのね」

閉まっている艇庫を見て、麻美子が言った。

「土曜日だもん。ジュニアヨット教室はやっていないよ」

「そうなんだ」

「ジュニアヨット教室は日曜日だけ開催しているから」

「日曜日だけなのね」

麻美子は、隆から聞いて開催日を確認していた。

「麻美ちゃんって、ディンギーに乗ってみたいの?」

開催日を気にしている麻美子に、陽子が聞いた。

「ディンギーに乗りたいってわけじゃないわよ。なんか、将来に自分の子供ができた時には、その子にもヨットを教えてあげたいなって思って」

「あ、そういうことね」

陽子は、麻美子から聞いて納得していた。

「それはそうよね。お父さんも、お母さんもヨットに乗るのに、子供にもヨット乗って欲しいよね」

「ね、そう思わない」

麻美子は、陽子に頷いていたが、隆の方は全然自分とは関係ない話かと思っているようだった。

「香代!準備は?」

隆は、船台の下から上のラッコに乗っている香代に聞いた。

「大丈夫、もう用意終わっている」

「よし、じゃあ、マリーナの職員にクレーンで下ろしてもらえるように頼んできて良いか」

「うん、お願いします」

隆は、陽子とクレーン作業しているマリーナ職員のところへ走っていった。

「もう、このまま出航する?」

「とりあえず、アクエリアスが泊まっているポンツーンの横に横付けしよう」

隆は、陽子に答えた。

「そこで、荷物とか最終確認してから出航しよう」


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など

東京国際ボートショー開催中の横浜マリーナではクルージングヨット教室生徒募集中!

Like 横浜マリーナ クルージングヨット教室's Story
Let 横浜マリーナ クルージングヨット教室's company know you're interested in their content