クルージングヨット教室物語160
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「え、なんで高速に乗っているの?」
隆は、助手席から運転している麻美子に聞いた。
「なんでって今日は3日だもの」
「あ、そうか!もう3日か。雛祭りの日だから横浜のマリーナでパーティーか」
隆は、麻美子に答えた。
「そういえば、お父さんとお母さんに遅くなること言ってないよ」
「大丈夫、私が話してあるから」
麻美子は、隆に答えた。
「お父さんとお母さんも呼んであげれば良かったね」
「え、どこに?もしかして、ラッコに連れて行くの」
「良いんじゃない」
「私のお父さんお母さんだよ。ね、皆から見たらおじいちゃんおばあちゃんだよ、パーティーしても陽子ちゃんたちが楽しめないでしょうが」
「そうかな」
隆は横で呟いていた。
「でもさ、陽子たちから見て、麻美子のお母さんがおばあちゃんなら、俺たちだって、おじさんおばさんになってしまわないか」
「そうね」
麻美子は、運転中、チラッと隆の方を睨んだ。
「今度さ、お父さんとお母さんもヨットに乗せてあげようよ」
「そうね、そのうちにね」
麻美子は、隆に答えた。
「私のお父さんお母さんなのにさ、隆はうちのお母さんたちに優しいよね」
「だって、いつも食事させてもらっているし」
隆は答えた。
「隆のお父さんお母さんには、ラッコに乗せてあげたことある?」
「無いよ、だって田舎から出てこないもの」
「じゃ、私たちでそのうち隆の田舎までラッコに乗って行こう!」
麻美子が言った。
「そうなんだ、頑張って!」
隆は、麻美子にエールを送っていた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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