「あ、でも、高校生の頃とかはチョコ持ってくるの学校で禁止だったりしたから、大学生になってからが初めて男の子にチョコあげたかな」
「誰にあげたの?」
香織が、麻美子に聞いた。
「誰にあげたっけな。この人とか」
麻美子は、隆のことを指差していた。
「え、俺ってそんなのもらったっけ?」
隆がとぼけていた。
「ダメだよ、隆さん。例え、覚えていなくても、そういう時は、覚えている振りをしなきゃ」
陽子が、隆のことを諭した。
「根が正直なものだから」
「それは正直とは言わないの、バカ正直すぎ」
香織が、隆に言った。
「ね、そのチョコファンテンって、まだ皆食べてる?」
麻美子が、陽子に聞いた。
「置いておけば、皆まだ食べ切るまで食べるんじゃないの」
隆が、麻美子に答えた。
「ちょっとさ、それ、上のおじさんたちにも持っていってあげようかと思って」
「いいよ、持っていってあげなよ」
瑠璃子が、麻美子に言った。
麻美子は、チョコファンテンを持って、パイロットハウスのサロンへ持っていった。
「ほら、皆さん・もうじきバレンタインデーですから」
麻美子は、メインサロンにいるおじさんたちのテーブル中央にチョコファンテンを置いた。
「お、すごいな!」
「たまには、こういう甘いつまみも良いね」
「なかなか美味しいね」
おじさんたちにも、チョコファンテンは大好評だった。
ラッコのメンバー皆での女子会の延長のつもりで企画したバレンタインパーティーだったが、横浜のマリーナのおじさんたちも含めて、概ね大成功のハッピーバレンタインデーとなった。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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