クルージングヨット教室物語151
Photo by yuya kitada on Unsplash
「おはよう!」
佐藤麻美子は、陽子たちのことを同乗させるために、運転しているエスティマを左に寄せて停車すると、皆に挨拶した。
「あ、麻美ちゃん!久しぶり」
エスティマに乗り込むと、陽子と瑠璃子が車内にいる麻美子に返事した。
「ね、久しぶりだよね。麻美ちゃんがヨットに来るの」
既に車内に乗っていた香織が瑠璃子に答えた。
「久しぶりだよね、3週間ぶりかな」
「そうね、久しぶりのヨットだね」
麻美子は、皆に答えた。
「どうして、ヨットにずっと乗りに来なかったの?」
「もしかして、隆さんと喧嘩でもしていたの?」
「喧嘩なんかしていないよ」
隆が慌てて否定した。
「ここのところは毎週末ずっと雪ちゃんとスキーに行っていたのよ」
「え、雪ちゃんと一緒にスキーへ行っていたの」
「そうよ」
麻美子は、陽子に答えた。
「雪ちゃんって、麻美ちゃんとスキーに行っていたんだ」
「うん。2人とも冬はスキー滑りに行くのが常連だからね」
麻美子は言った。
「雪ちゃんって課長じゃない。それで仕事が忙しくて、最近乗りに来ていなかったのかと思ってた」
「課長じゃないよ、係長でしょう」
香織が、瑠璃子に言った。
「ううん、係長だったのよ。それが1月から課長に昇進したのよ」
「そうなんだ」
「それで、仕事が忙しくなったのかと思ってた」
瑠璃子が答えた。
「ううん。そんなことないよ、毎週のように私とスキーに行っていたからね」
「どこに滑りに行っていたの?」
「白馬よ」
麻美子は、車を運転しながら答えた。
「え、でも隆さんって毎週私たちとヨットに乗っていたよね」
「うん」
「なんで、隆さんはスキーへ滑りにいかなかったの?」
「寒いから嫌だよ」
隆は、瑠璃子に答えた。
「私も、スキーを教えてあげるから滑りに行こうって誘ったのよ」
「そうなの」
「でも、寒いから絶対に行かないって断られたの」
「だって、東京にいても1月2月寒かっただろう。それなのに、何でもっと寒いところにわざわざ行かなきゃいけないんだよ」
隆は、ブルブルと身体を震わせながら、皆に答えた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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