「おはようございます」
洋ちゃんが起きてきた。
「おはよう、そこに置いてあるの今日のお昼のお弁当ね」
お母さんは、朝食を作りながら、テーブルの上の布巾に包んである弁当箱を指差した。
「ありがとう」
洋ちゃんは、テーブルの上の番頭箱を自分の学校に行く時用のバッグに入れた。
健ちゃんは、近所にある公立の中学校に通っているが、洋ちゃんは、東京の私立の中学校に通っていた。横浜から東京まで通学しているため、毎日朝起きるのは早かった。
でも、いつもそれよりもっと早く起きていたのは、お昼のお弁当や朝食を毎日作ってくれているお母さんだった。
「早く朝ごはんを食べちゃわないと遅刻するわよ」
お母さんに言われて、洋ちゃんは食卓の席に着いた。
「いただきます!」
洋ちゃんが朝ごはんを食べ始めた時、
「おはよう」
お父さんが起きてきた。
「おはようございます、なんか早くない?」
洋ちゃんは、お父さんに言った。いつも、お母さんは早く起きてきてくれるが、お父さんはギリギリまでゆっくり寝ていることが多かった。
「今日は、ちょっと早く目が覚めてしまってな」
お父さんは、洋ちゃんの横の席に座った。
「そういえば、お父さんもミニホッパーを買ったの?」
「おお、お前も庭のミニホッパーを見たのか」
お父さんは、洋ちゃんに笑顔で答えた。
「あのミニホッパーってどうするの?」
「いや、ヨット教室がない日とかは、家族であのヨットに乗りに行こう」
お父さんは、嬉しそうに洋ちゃんに答えた。
「ヨット教室のヨットは、他の生徒さんと代わりばんこで乗っているから、自分だけの乗れるヨットがあるのは良いものだろう」
お父さんは、洋ちゃんに言った。
「まあ、そうね」
どうやら、いつも朝早く起きてこないお父さんが、今日に限って早く起きてきたのは、昨日届いたばかりのミニホッパーの話がしたかったからみたいだった。
「もしかして、この間、ベイサイドのユニクロに行ったじゃん」
「ああ」
「あの時に立ち寄ったYAMAHAのお店で、ミニホッパーを見ていたじゃん。あの時に買ったの?」
「そうだね。あの時の店員さんが割と値引きも多くしてくれたしな」
「そうなんだ」
洋ちゃんは、お父さんに返事した。
「今度の週末、磯子に持っていけば、乗れる場所があるから乗りに行こう」
お父さんは、洋ちゃんに伝えた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
横浜のマリーナ クルージングヨット教室生徒募集中!