ジュニアヨット教室物語66
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「ただいま」
お父さんが会社から帰ってきた。
「お帰りなさい、ヨットが届いていますよ」
お母さんは、台所から出てくると、お父さんに知らせた。
「あ、本当に」
お父さんは、一旦自分たちの寝室に入ると、スーツを普段着に着替えてきてから、お庭の見える窓から外に置かれているヨットの姿を確認した。
「洋ちゃんは?」
「もう寝てしまったわよ」
「もう寝たんだ」
「だって、明日も学校ありますし」
お母さんは、お父さんに答えた。
「寝るの早くないか?俺なんか、学生の頃は12時過ぎぐらいまでは勉強してたけどな」
「洋ちゃんも9時過ぎぐらいまでは勉強していましたよ」
お母さんは、お父さんに報告した。
「でも、10時前ぐらいかしらね。部屋を覗いたら勉強しながら机で居眠りしてたから、寝るんだったら、ちゃんと着替えてベッドで寝なさいって注意したから寝たみたいよ」
「本当に勉強をしていたのかな」
お父さんの疑いの通り、始めの30分ぐらいで後は机に座りながら居眠りしている時間の方が長かった。
「で、洋ちゃんはヨットのことはもう見たのか?」
「見ましたよ」
「なんか言っていたか?どこで乗るのかって気にしてましたよ」
お母さんは答えた。
「山中湖で乗るのかどうか気にしてましたけど・・」
「さすがに、山中湖は車で運んでいくのも遠すぎるだろう」
お父さんは、さっきお母さんが答えたのと同じことを答えていた。
「どこで乗るつもりなんですか?」
「磯子の先の方に、持っていけば海に出して乗れるマリーナがあるんだ」
「そこに持って行って乗るんですか?」
「そのつもり」
お父さんは、お母さんに答えた。
「早速、今度の週末に、3人でそこに持って行って乗ってこよう」
お父さんは、お母さんに告げた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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