ジュニアヨット教室物語48
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「もしもし、健ちゃん」
洋ちゃんは、健ちゃんの家に電話をかけていた。
「あのさ、今って何をしていた?」
「え、勉強していたよ」
姉きに学校の勉強を習っていた健ちゃんは、洋ちゃんに答えた。
「そうなんだ、あのさ、今から家に来ないかなって思って・・」
「今からって、洋ちゃんの家に?」
健ちゃんは、洋ちゃんに聞き返した。
「そう。今さ、俺の学校の友達の松田っていうのが家に来ていてさ」
「そうなんですね」
「彼も、明日からヨット教室に通うことになって」
洋ちゃんは、健ちゃんに伝えた。
「だからさ、3人で一緒に俺の家に泊まって、明日はここから皆一緒に行かないかなって思ってさ」
洋ちゃんは、健ちゃんに聞いた。
「そうなんですね。でも、僕は明日の朝、迎えに行きますわ」
健ちゃんは、洋ちゃんに答えた。
「今は勉強中だから・・」
「そうか、それじゃ、明日待っているね」
健ちゃんは、電話を切った。
「健ちゃんは今、勉強しているんだってさ」
洋ちゃんは、電話を終えると、松田とお母さんに伝えた。
「だから、いつも通り、明日の朝に迎えに来てくれるってさ」
「あら、偉いじゃない。ちゃんと勉強しているなんて」
お母さんは、健ちゃんのことを褒めていた。
「ついでだから、あなたも松田くんと一緒に勉強してきたら?」
お母さんは、洋ちゃんに言った。
「わからない勉強のところを、松田くんに聞きながら勉強すれば進むんじゃないの」
「松田は、健ちゃんと違って、そんな優等生でも何でもないよ」
洋ちゃんは、お母さんに答えた。
「確かに、俺は優等生ではないかもしれないけど・・」
松田は、洋ちゃんに言われて頷いていたが、
「多分、普段の勉強は洋ちゃんよりはやっているから、わかると思う」
松田は、洋ちゃんに答えた。
「別に優等生でなくても、勉強しても良いのよ」
そう言われて、見ていたテレビを消して、洋ちゃんの部屋に行くと、そこで勉強をすることになった2人だった。松田は、自分のバッグから教科書を開くと、復習していた。
「おまえって本当に勉強しないよな」
松田は、洋ちゃんが机に向かっているのを後ろから覗きこんで、教科書の内側にマンガを隠して、読んでいるのを発見して、洋ちゃんに言った。
「何もさ、部屋には、俺とおまえの2人だけなんだから、別に俺に教科書を見せて勉強している振りをしなくても良いんじゃないの」
「いや、違うよ。たまに黙って、うちのお母さんが部屋に入ってくることあるからさ」
洋ちゃんが松田に答えると、松田は吹き出していた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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