「行ける?」
洋ちゃんは、放課後に松田へ声をかけた。
「もうちょっとだけ待って」
松田は、授業で先生が書いた黒板の文字を書き写していた。
「今日の授業の内容わかった?」
「まあ、だいたいはわかったよ」
「マジ?ここのところって、どう解釈するかわかる?教えてもらえない」
松田は、洋ちゃんに質問した。
「ええっと・・これは」
洋ちゃんは、松田のノートの中を覗き込んで、考え込んでいた。
「お前にわかるわけないよな、聞いた俺がバカだった」
松田は、ノートの内容をぜんぜん理解できていない洋ちゃんのことを見て、苦笑していた。
「お前ってさ、大して勉強とか復習もしないくせに、よく試験だけは合格点取れるよな」
「まあ、いつも合格点ギリギリなんだけどな」
洋ちゃんは、笑顔で松田に答えた。
「そろそろ行こうか」
「行けそう?」
「うん、なんとか今日までの分の授業は理解できた」
「それは良かった。それじゃ、行こうぜ」
洋ちゃんは、松田と一緒に学校の正門を出た。
「洋ちゃんは、今日の授業の内容はわかったのか?」
松田は、洋ちゃんと一緒に、大宮先輩の家に向かいながら、質問した。
「え、まあ期末までには何とかなるっしょ」
「大丈夫かよ」
松田は、笑顔で答える洋ちゃんに苦笑していた。
ピンポーン!
「おう、来たか」
「用意はしてあるよ」
大宮先輩は、3人分の軍服をそれぞれの紙袋に入れてくれていた。
「着替えましょうか」
「いや、ここから着替えて行くと、東横線の中とか恥ずかしくないか」
大宮先輩は、2人に言った。
「銃弾のポケットの付いたポシェットを斜めがけして、電車の中を歩き回るのも問題あるし」
「確かにそうですね」
「紙袋に入れて、持って行って向こうに着いてから、現地で着替えませんか」
「そうしましょう」
3人は、それぞれの着替えが入った紙袋を持って、出かけることとなった。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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