クルージングヨット教室物語146
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深浦の港にも、ヨットハーバーがあった。
「このまま、そこのポンツーンに停泊しようか」
横須賀市の運営しているヨットハーバーで、深浦ボートパークという名称が付いていた。
「停泊料を払ってくるね」
ラッコがポンツーンに着岸すると、麻美子は、お財布を持ってポンツーンに飛び降りながら言った。
「俺が行ってこようか」
阿古さんが、麻美子に聞いた。
「ありがとうございます。でも、帰りにスーパーでお昼の食材も買って来たいし」
「え、今日ってお昼の食材を用意していないの?」
隆が麻美子に聞いた。
「あるんだけど、こんな人数が増えてしまったから」
「なるほど」
「麻美ちゃん行かなくても、何を買ってくれば良いか教えてもらえれえば、俺らで停泊料を払って、そのままスーパーに行って、お買い物もしてくるよ」
「買って来てもらえば?」
「そう、それじゃ、おうどんと白菜、シラタキ・・」
麻美子は、足りない食材をメモに書き足して、阿古さんたち買い出し班にお願いした。
「あ、男手があるんだったら、重たいお米とかもついでにお願いしちゃおうかな」
「はいはい、いくらでも買って来ますよ」
阿古さんは、笑顔で麻美子に答えてくれた。
深浦ボートパークの前には、京急ストアがあるので、そこで食料品の買い出しはいくらでもできた。隆たちのヨットを保管している横浜のマリーナの前には、相鉄ローゼンがあって、買い出しができた。
「それじゃ、行って来ます!」
「お願いします。帰ってくるまでに、お昼ごはんは作り始めていますね」
麻美子は、買い出し班に伝えた。
「私たちは、お昼ごはんの準備をしましょう」
ラッコのキャビンに居残り組は、キャビンに入ると、野菜を切ったり、肉を切ったりと、買い出し組が戻ってくる前に食材の下準備を始めていた。
「先週は、娘たちと長野へスキーに行って来たよ」
「中村さんもスキーやるんですね。私も行って来ましたよ」
プロントのクルーが、野菜を切りながら、中村さんと話していた。
夏でも春でも秋でも、寒い冬でも関係なくヨットに乗っている隆たちみたいなヨットマンも多いが、夏の間だけヨットには乗って、冬は山に行って、スキーをしているというヨットマンも多かった。
「麻美ちゃんは、スキーとかやらないの」
「私ですか、昔に何回か数えるぐらいだけど、滑りに行ったことはありますが」
「隆くんはやらないの?」
「スキーは、ぜんぜんやらないですね」
「隆、凝り性だから、スキーなんか始めたらウェアからグッズまで完璧に道具を揃えて、初期投資が相当な出費になってしまいそう」
麻美子が、隆に言った。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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