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クルージングヨット教室物語136

Photo by Buddy Photo on Unsplash

「ね、陽子ちゃんってお正月にラッコに乗ったの?」

「うん」

「麻美ちゃんの弟さんに会ったの?」

「会ったよ」

陽子と瑠璃子は、話していた。

「弟さんって、どんな感じの方だった?やっぱり、世界の貿易商だし、ビジネスマンっぽい感じ」

「そうでもなかったよ、あんまり話してはいないけど、優しそうな感じの方だった」

「そうなんだ。麻美ちゃんみたいに優しそうな感じの人だったんだ」

「そうね、うん!麻美ちゃんにとてもよく似ていた」

陽子は、瑠璃子に答えた。

「たぶん、また日本に帰国した時は、ヨットに乗りに来るんじゃないかな」

「本当に」

「うん、なんかヨットに乗るの気に入ったみたいな感じだったから」

「おめでとうございます!」

香代も、年が明けてから初、横浜のマリーナにやって来た。

「おめでとう!香代ちゃん、可愛いじゃない」

陽子は、香代の頭に付いていた猫のバレッタを指差して褒めた。

「お正月に従兄弟が買ってくれたの」

香代は、自分のショートの髪に付けているバレッタを触りながら答えた。

「麻美ちゃんの弟さんの話?」

「うん。香代ちゃんも会ったの?」

「会ってないよ」

香代は、瑠璃子に答えた。

「弟さんも、ヨット上手なの?」

「どうだろうね」

「たぶん、この間のお正月に初めてヨットに乗ったんじゃないかな」

陽子が答えた。

「お天気が良かったから。ずっとフォアデッキで寝転がって、日向ぼっこしていたもの」

「へえ」

「おはよう!」

噂の弟のお姉さん、麻美子が隆と一緒に、横浜のマリーナにやって来た。

「今日は、船を出すでしょう?」

「出そうか」

ラッコの皆は、マリーナの職員にクレーンでラッコを下ろしてもらうと、海に出向した。

「海が静か・・」

お正月明けで海に出ている本船や漁船の数も少なく、真冬で寒いせいか、週末だというのにヨットを出航しているオーナーも少なく、なんか海がのんびりしていた。

「皆、あまり出ていないせいか、静かなセーリングよね」

「賑やかなセーリングも良いけど、こういう内輪だけの静かなセーリングも良いよな」

隆は、陽子に言った。

「特に、お正月にこういう静かなセーリングしていると、今年一年、平和な一年になりそうに思える」

「それはあるかもね」

陽子が、隆に同意した。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など

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