1
/
5

クルージングヨット教室物語133

Photo by Risa on Unsplash

「今年の正月は、本当に寝正月だよね」

隆は、麻美子に言った。

「良いんじゃない、たまには、のんびりと過ごすのも」

「まあね」

隆は、麻美子の実家で皆とテレビを見て過ごしていた。

「なんか、ゴルフに行きたくなりませんか」

お正月のテレビ番組でやっていたゴルフ中継を見ていた麻美子の弟が言った。

「ゴルフ場は、サンフランシスコと違って日本には近くにあんまり無いからな」

麻美子のお父さんが、自分の息子に話していた。

「ゴルフ場は無いけど、ヨットハーバーとか行ってみますか」

隆は、麻美子の弟に言った。

「近くにあるんですか?」

「近いってほどでもないけど、車で1時間しないぐらいで行けますよ」

「そうよ。隆さんにヨットに連れて行ってもらいなさいよ」

麻美子のお母さんも、弟に言った。

お正月のテレビ番組にも飽きてきたので、横浜のマリーナに行ってみることになった。

「お姉ちゃんも来るの?」

「うん、悪い?」

「いや、別に良いけど」

弟は、姉の麻美子も一緒に駐車場までついてきたので、麻美子に質問した。

「え、お姉ちゃんが運転するの?」

麻美子が運転席に乗って、隆が助手席に座ったのを見て、弟が聞いた。

「この車って、俺はほとんど運転したことないもの」

隆が、弟に返事した。

「そうなんですね、そういえば昔って、もっとスポーツタイプの車じゃなかったですか」

「そう、ヨットのメンバーが皆、乗れないからって買い替えたんだ」

「この車ならば、けっこう人数乗れますものね」

「今、うちのメンバーは、2人以外に全部で5人いるからね」

「エスティマですよね」

「詳しいじゃん」

「ええ、アメリカでも、この丸いエスティマは人気ありますもの」

弟は、隆と話していた。

「今日、誰か来るかな?」

「誰かって」

「瑠璃子とか陽子とか・・」

「来るわけないでしょう。皆、自分たちの親戚んちとか行っているわよ」

麻美子は、横浜のマリーナまで車を運転しながら、隆に返事した。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など

横浜のマリーナ クルージングヨット教室生徒募集中!


Like 横浜マリーナ クルージングヨット教室's Story
Let 横浜マリーナ クルージングヨット教室's company know you're interested in their content