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クルージングヨット教室物語129

Photo by SUI SOU on Unsplash

「お帰り」

「ただいま、気づいていたんだ。俺が出かけていたの」

「それはね、急に消えてしまっていたし」

陽子は、会場に戻って来た隆に答えた。

「パーティーもう始まっているんだ」

会場の立食パーティーは、隆が戻って来たときには、既に始まっていて、盛り付けられていたはずのテーブルの食事は、ほぼ何も無くなってしまっていた。

「もう食事ないんだ」

「なんか、ホテルで用意してくれた食事の量が人数に対して少ないのよね。私たちが、料理を取りに行った時でも、ほとんどのお皿がすぐに空になってしまって、お料理ほぼ取れなかった」

「そうなんだ。せっかく腹を空かして来たのにな」

隆は、陽子や香織と話していた。

「隆、ごはんもらって来た?」

「何も残っていないよ」

隆は、麻美子に答えた。

「そう思って、隆の分ももらって来たよ」

麻美子は、お皿に装ってもらって来た料理を隆にも手渡した。

「よくもらえたね」

隆は、麻美子が持って来た料理を食べながら、麻美子に聞いた。

「なんかウェイターさんに言ったら、特別に持って来てくれたのよ。ね」

「うん」

香代のお皿にも、麻美子のお皿と同じように料理が盛り付けられていた。

「もう少ししたら、また新しいお料理も運ばれてくるから、運ばれて来たらすぐに取りに行かないと、またすぐ無くなってしまうって」

麻美子は、次の料理情報を隆に伝えた。

麻美子からの情報で、料理が運ばれてくるのを即座に見つけると、隆たちは急いでテーブルに料理を取りに行った。おかげで、次の料理は、しっかり確保できたが、その間にマリーナスタッフが配っていたビンゴの用紙をもらい損ねてしまっていた。

「まだ、ビンゴの用紙残っていますー!」

ステージ上で司会が皆に叫んでいた。

「ビンゴの用紙、もらってこようか」

「1枚500円ですって。お金かかるみたいよ」

「あら、そうなの」

隆たちは、ビンゴはやるつもりないらしかった。

「瑠璃ちゃん、ビンゴの用紙買って来な」

麻美子は、お財布からお金を出して、瑠璃子に伝えた。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など

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