クルージングヨット教室物語42
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「ねえ、もう眠いんだけど」
ラッコが沖に出て、セイルを上げ終わってすぐに麻美子は、隆に伝えた。
「もう寝るの?」
「うん、だって、もう夜中の1時回っているよ」
「麻美子の家って皆、夜は早寝だからな」
隆は、麻美子に言った。
「私たちが先に寝てもいい?」
「どうぞ、別にいいよ」
隆は、麻美子に返事した。
「香代ちゃん、先に寝ても良いってよ」
麻美子は、ラットを握っていた香代に声をかけたが、香代はまだラットを握っていたいみたいだった。
「香代は、まだ眠くないってさ」
「そうなの?じゃ、香代ちゃんのウォッチは後のグループにしてもらう?」
香代は、麻美子に頷いた。
「それじゃ、私が麻美ちゃんと同じ先に寝る」
瑠璃子が隆に返事した。
「香代ちゃんは、今夜はお母さんじゃなくお父さんと一緒だ」
雪が香代に言うと、香代は小さく頷いた。
なんとなく最近は、ヨットにいる間は、隆が香代のお父さん、麻美子がお母さんになっていた。
「瑠璃ちゃん、一緒に後ろで寝る?」
麻美子に聞かれて、瑠璃子がちょっと返事に困っていると、
「瑠璃ちゃんは恥ずかしいよね、前の自分のベッドで寝て良いよ」
瑠璃子は、ダブルバースに変更し終わっていたギャレー前のダイニングサロンのベッドで横になった。
「こうすると、もっと落ち着いて眠れるんじゃない」
麻美子は、瑠璃子がベッドに入った後で、ダイニングとギャレーの間に取り付けてあるカーテンを敷いて、ダインングルームの中を個室仕様にしてあげた。
「ね、窓のカーテンもしっかり敷いた方が暗くなって寝やすいよ」
カーテンの隙間から中を覗き込みながら、麻美子が瑠璃子に言った。
「でも、ウォッチ明けには起きなきゃならないのに、あんまり暗く寝やすくしちゃうと、私、ぜったいに起きられなくなってしまうよ」
「良いじゃない、起きられなかったら朝まで寝ちゃっても大丈夫よ」
麻美子は、瑠璃子におやすみを言うと、アフトキャビンに移動した。
麻美子には、起きれなかったら朝まで起きなくても良いとは言われたが、本当に起きれなかったらまずいと思って、瑠璃子はダイニングの窓のカーテンまでは閉めずに眠りについた。
おかげで、陸地からの灯りがダイニングの中を照らしていた。
一方、麻美子はアフトキャビンの中に入ると、入り口の扉もしっかり閉めて、両サイドに付いている窓という窓に付いているカーテンをしっかり閉めきって、部屋の中を真っ暗にして寝ていた。
「あれ、今キャビンに入ったの麻美子と瑠璃子だけじゃないか」
「後、1人だれか先に寝ても良いのか」
香代はラットを握っている、雪もジブシートのトリムしていた。
「それじゃ、私が先に寝てしまおうかな」
「良いんじゃない、寝れる時に寝ておいた方が良いよ」
隆に言われて、陽子がキャビンに入った。
「私も先に寝ることになったの、一緒に横で寝かせてね」
瑠璃子は、陽子に頷いた。