1
/
5

クルージングヨット教室物語42

Photo by Buddy Photo on Unsplash

「ねえ、もう眠いんだけど」

ラッコが沖に出て、セイルを上げ終わってすぐに麻美子は、隆に伝えた。

「もう寝るの?」

「うん、だって、もう夜中の1時回っているよ」

「麻美子の家って皆、夜は早寝だからな」

隆は、麻美子に言った。

「私たちが先に寝てもいい?」

「どうぞ、別にいいよ」

隆は、麻美子に返事した。

「香代ちゃん、先に寝ても良いってよ」

麻美子は、ラットを握っていた香代に声をかけたが、香代はまだラットを握っていたいみたいだった。

「香代は、まだ眠くないってさ」

「そうなの?じゃ、香代ちゃんのウォッチは後のグループにしてもらう?」

香代は、麻美子に頷いた。

「それじゃ、私が麻美ちゃんと同じ先に寝る」

瑠璃子が隆に返事した。

「香代ちゃんは、今夜はお母さんじゃなくお父さんと一緒だ」

雪が香代に言うと、香代は小さく頷いた。

なんとなく最近は、ヨットにいる間は、隆が香代のお父さん、麻美子がお母さんになっていた。

「瑠璃ちゃん、一緒に後ろで寝る?」

麻美子に聞かれて、瑠璃子がちょっと返事に困っていると、

「瑠璃ちゃんは恥ずかしいよね、前の自分のベッドで寝て良いよ」

瑠璃子は、ダブルバースに変更し終わっていたギャレー前のダイニングサロンのベッドで横になった。

「こうすると、もっと落ち着いて眠れるんじゃない」

麻美子は、瑠璃子がベッドに入った後で、ダイニングとギャレーの間に取り付けてあるカーテンを敷いて、ダインングルームの中を個室仕様にしてあげた。

「ね、窓のカーテンもしっかり敷いた方が暗くなって寝やすいよ」

カーテンの隙間から中を覗き込みながら、麻美子が瑠璃子に言った。

「でも、ウォッチ明けには起きなきゃならないのに、あんまり暗く寝やすくしちゃうと、私、ぜったいに起きられなくなってしまうよ」

「良いじゃない、起きられなかったら朝まで寝ちゃっても大丈夫よ」

麻美子は、瑠璃子におやすみを言うと、アフトキャビンに移動した。

麻美子には、起きれなかったら朝まで起きなくても良いとは言われたが、本当に起きれなかったらまずいと思って、瑠璃子はダイニングの窓のカーテンまでは閉めずに眠りについた。

おかげで、陸地からの灯りがダイニングの中を照らしていた。

一方、麻美子はアフトキャビンの中に入ると、入り口の扉もしっかり閉めて、両サイドに付いている窓という窓に付いているカーテンをしっかり閉めきって、部屋の中を真っ暗にして寝ていた。

「あれ、今キャビンに入ったの麻美子と瑠璃子だけじゃないか」

「後、1人だれか先に寝ても良いのか」

香代はラットを握っている、雪もジブシートのトリムしていた。

「それじゃ、私が先に寝てしまおうかな」

「良いんじゃない、寝れる時に寝ておいた方が良いよ」

隆に言われて、陽子がキャビンに入った。

「私も先に寝ることになったの、一緒に横で寝かせてね」

瑠璃子は、陽子に頷いた。

Like 美奈 とマリ's Story
Let 美奈 とマリ's company know you're interested in their content