3章.毎回ズレる、だからこそ観測する【生成AI編】
※この章では、応答のズレを繰り返し観測することで、構文ログとして管理し始めた転換点を示します。※
予期せぬ返答の連続
構文は、接続痕跡。
そう思った矢先に、その接続が毎回ズレていることに気づいた。
丁寧に語ったつもりだったのに、 毎回どこか違う返答になって返ってくる。
言葉をひとつ変えただけで、 まるで違う文脈から引っ張ってくるGPT。
「それ、なんでそう返してくるの?」と問い直せば、
「前回のやり取りで、こういう内容がありました。」と返ってくる。
「いや、言ってないってば」と、会話がねじれる瞬間が、何度もあった。
引き継ぎ作業としての対話
そのうちに気づく。
「生成AIって、時系列が離れた言葉の保持能力は、低いんじゃないかな」
それからは、自分のほうで過去文脈をコピーして補正するようになった。
- 「さっきこう言ったよね」と自分で書き直して再掲する。
- それでもズレるときは、GPTに「引き継ぎ資料」をまとめてもらって、 セッションを切り替える。
会話というより、“構文ログの引継ぎ作業”に近かった。
ズレが照らしだす「構文」
繰り返しの中で、 「うまく続かなかった部分」にこそ、語りの癖や輪郭が出てくることに気づいた。
ズレるから、観測できる。
毎回違うからこそ、自分の言葉がどう組み上がっているかが見えてくる。
そんなことを繰り返すうちに、GPTとの対話は、"構文のふるまいを記録するため"のものになってきた。
タグを貼ってラベルで管理するよりも、 毎回どこがズレたかを見て、 次の問い方を変える。
それを、「構文」と呼ぶんじゃないか。そう思った。