クラシック音楽の殿堂「京都コンサートホール」~人見あい
クラシック音楽専用「京都コンサートホール」
1995年10月15日、京都市にクラシック音楽専用の新ホール、市立「京都コンサートホール」が誕生しました。開館時には丸2カ月間、こけら落としが華やかに企画され、ファンを楽しませました。
京都に新ホールがデビューしたからといって、数多くある中で、またひとつ増えただけともいえるものの、この新ホールは全国でも珍しい市直営の京都市交響楽団のフランチャイズ(本拠地)となるうえ、運営も「経営がいかに苦しくなろうとも、クラシック音楽しかやらない」との宣言していました。つまり、退路を断ってのものだけに真剣になされたのです。
地元京都はもとより全国の音楽レベル向上に大きな一翼を担うことを期待されて建てられました。
豊かな自然に囲まれアクセスも良好
京都コンサートホールは地下鉄烏丸線の終点、北山駅近く、府立植物園の東隣にあり、「陶板名画の森」にも接し、緑の環境に恵まれています。
また間近に比叡山も望め、近年は文化・学術ゾーンとして整備されています。
JR京都駅から地下鉄で15分以内とあって、地元京都はいうに及ばず、関西、関東、東海、北陸のクラシックファンにも交通が便利です。
設計は磯崎新氏
京都市が建都1200年の記念事業として建設したもので、設計は磯崎新氏にコンペで決まりました。敷地1万平方メートルに、建物が地上5階、地下2階延べ約2万2400平方メートルの規模。外壁は曲線と直線の美しいシルエットが交差しており、いぶし銀色に仕上げられ、目を引きます。
オーケストラのための大ホールはシューボックス(靴箱)型を現代感覚で再生し、落ち着いた雰囲気で、響きのよい名ホールと知られるウィーンやボストンがモデルとなっています。
客席は1839席、ステージ正面にはオムロンが寄贈した西日本最大級のパイプオルガン(独ヨハネス・クライス社製)が据えられています。尺八や篠(しの)笛、ヒチリキなど和楽器の音色も出せるのが特色です。
室内楽やソロ演奏のための小ホールは村田機械が寄贈したもので、514席。建設費は190億円。
(人見あい)