はじめに:AIソロプレナーという新しい働き方
「地方創生」と聞くと、大きな予算と大人数のプロジェクトチームを思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど今、生成AI・コード生成AIの進化は、たった一人の技術者でも政策アイデアを"動くプロトタイプ"まで持っていける時代を作り始めています。
AIの進化が社会の前提を塗り替える今、一人ひとりが持つアイデアの価値はかつてなく高まっています。「AIソロプレナー」とは、AIを強力なパートナーとして駆使し、独りで社会課題に立ち向かう新しい実践者の姿です。
今回は、AI駆動開発で地域課題の解決―― 地方創生AX ――に挑む #ぎゅらりふぃー (私)の処世術と、その発信拠点についてご紹介します。
地方創生AXの「玄関口」をひらく
地方創生AX(AX = AI Transformation)は、生成AIとweb3(DAO/World ID)を組み合わせ、自治体・地元企業・NPOの経営DXを加速させる取り組みです。軸に据えているのは「子ども・運営者・地域社会」の三方よし。政策提言だけで終わらせず、プロトタイプ開発とセットで進めているのが特徴です。
この度、経営DXラボのGitHubに『地方創生AX ポータル』を開設しました。
- コードの置き場所ではなく「ポータル」:ここは単なるプログラムの保管庫ではなく、政策アイデアや全体構想を案内する玄関口です。実装コードは個人アカウント(@SunVerdir)配下のリポジトリで公開・運用し、役割をあえて分けています。
- Web3とAIの融合:DAOやWorld IDといった最先端技術を、いかに地域社会へ実装するかというプロトタイプ群へ誘導します。
- オープンな知見共有:コードはMIT、ドキュメントはCC BY 4.0で公開し、誰でも検証・再利用できる透明性の高いAI駆動開発を実践中。
実装サイクルは、極めて軽快かつ合理的です。
- 政策アイデア(ポータルで公開):理論的背景と期待される効果を定義
- プロトタイプ実装(個人リポジトリで公開):AI駆動開発による高速なPoC開発
- 社会実装・評価(Zenodo等):自治体実証やコンテスト応募、査読前論文の公開
「思いつき」で終わらせず、アイデア→実装→検証というループを一人の開発サイクルの中に埋め込んでいる点が、従来の政策提言レポートとの大きな違いです。第一弾のプロトタイプは、すでにDOI付きでZenodoに公開済みです。
政策レシピ:テクノロジーを温かい社会実装へ
構想倒れにしない姿勢を象徴するのが「こども食堂DAO × Metaマルシェ」です。ガバメントAI「源内」とWorld IDを活用し、こども食堂の運営と地域経済圏(Metaマルシェ)をDAO的な仕組みで統合した、前述のDOI付きプロトタイプです。
- 子ども食堂DAO:こども食堂の運営とWorld IDを組み合わせ、地域の支援の輪を透明かつ持続可能にする温かい仕組み。
- Metaマルシェ:仮想空間と現実の特産品をDAO的な仕組みでつなぎ、安全な決済を伴う新しいローカル経済圏を創出する試み。
- ガバメントAI(源内):無料で活用できる行政AIを基盤に、煩雑な行政手続きや住民サービスをAIが滑らかにサポートする未来の窓口。自治体側のコストとリソースの壁を大きく引き下げます。
「こども食堂DAO × Metaマルシェ」は、この3つを組み合わせて、すでに動く形で公開しています。単発企画ではなく、継続的な"政策レシピ"の蓄積として設計しており、次は「生涯学習リビングラボ」構想も控えています。政策アイデアコンテストやGENIAC-PRIZEなど、複数の場での発表も検討中です。
個人で公共領域に踏み込む「処世術」
このプロジェクトが面白いのは、技術力そのものよりも「一人でどこまで公共領域に踏み込めるか」という設計思想です。
- ポータル(玄関口)と実装の分離:全体構想の"顔"と量産型の実装コードを切り離し、身軽に動ける体制を保つ
- オープンなライセンス設計:ドキュメントはCC BY 4.0、コードはMITで、誰でも検証・再利用できる状態にする
- 学術・行政への説明責任:DOIを取得し査読前論文として置くことで、自治体や研究者と対等に対話できる土台を作る
組織の看板がなくても、ライセンスと引用可能性、そしてOSSとしての透明性を整えることで、自治体や研究者と対等に対話できる。これは、これから個人で社会課題に取り組もうとするエンジニアやリサーチャーにとって、そのまま応用できるしなやかなキャリアの処世術だと考えています。
多次元世紀のSociety5.0に向けて
テクノロジーの目的は、究極的には「人の心を豊かにすること」に尽きます。AI駆動開発によってアイデアを迅速に形にし、小さく試して地域に還元していく。これこそが、自由に、そして靭やかに未来を変転する「#ぎゅらりふぃー」の神髄だと感じています。
どんな人と繋がりたいか
一人でできることには限りがあるからこそ、次のような方々とのご縁を探しています。
- 省庁・自治体・関係機関でAI×地方創生の実証フィールドに関心のある方
- World ID/DAOをはじめとするweb3技術の社会実装に興味があるWeb3エンジニア・リサーチャー
- 生成AI×行政サービスの検証・研究に関心がある大学・研究機関の方
- 政策アイデアを一緒にブラッシュアップしてくれる共創パートナー
- 生成AI大賞やGENIAC-PRIZEなどでのプロトタイプ発表機会を模索中の方
ご興味を持っていただけたら、GitHubのDiscussionsでのコメントも歓迎です。
- 🗺️ 地方創生AX ポータル:https://github.com/Management-DX-Lab/local-revitalization-ax-portal
- 🏛️ 経営DXラボ Organization:https://github.com/Management-DX-Lab
- 👤 菅野敦也(Atsunari Sugano)GitHub:https://github.com/SunVerdir
- 🌐 Official Website:https://www.maemuki.info
- 📚 Wikidata / ORCID:https://www.wikidata.org/wiki/Q100455577 / https://orcid.org/0009-0003-1371-5267
- 🔖 DOI(Zenodo):https://doi.org/10.5281/zenodo.22040861