10カ国以上でSEOをやって気づいた、日本のSEOに足りないもの
9年間、フリーランスのSEOコンサルタントとして、日本だけでなくイギリス、ドイツ、タイ、マレーシア、フィリピンなど様々な国の企業と仕事をしてきました。
その中で感じた「日本のSEOに足りないもの」を、率直に書いてみます。
① テクニカルSEOの軽視
日本のSEO業界では、いまだに「コンテンツを量産すれば上がる」という考え方が根強いように感じます。
海外のクライアントと仕事をすると、まず最初に議論になるのはサイト構造の話です。クロールバジェットの最適化、内部リンクのアーキテクチャ設計、Core Web Vitalsの改善。コンテンツの話はその「箱」が整ってから。
実際、僕が担当した案件でもhreflangとcanonicaの再設計だけで自然検索が+38%伸びたケースがあります。記事は1本も追加していません。
技術的な基盤がしっかりしていないサイトにいくら記事を投入しても、Googleはそもそも正しく評価してくれません。
▶ 関連記事:robots.txtで多言語サイトを正しくクロールさせる最新手法
② 多言語SEOの知見不足
日本語だけで完結するサイトなら問題ないですが、海外展開を考える企業が増えている中で、多言語SEOのノウハウが圧倒的に足りていないと感じます。
hreflangの設定ミス、/en ディレクトリ構成の不備、言語切り替えUIの設計漏れ。海外では当たり前に議論される項目が、日本ではそもそも知られていないことが多い。
特にアジア圏のサイトでは、中国語(繁体字・簡体字)の扱いやローカライズの粒度など、テンプレート的な対応では通用しない場面が山ほどあります。
③ 「SEO=マーケティング」という視座の欠如
海外、特にイギリスやドイツの企業で働いて驚いたのは、SEO担当者が経営層と直接対話している場面が多いことです。
SEOは単なるチャネル施策ではなく、事業戦略の一部として位置づけられている。だからSEO担当者にも、KPIの設計力やビジネスインパクトを語る力が求められます。
日本では「SEO担当=記事を書く人」「SEO担当=順位を上げる人」というイメージがまだ根強い。でも、本来SEOは検索を通じた事業成長のエンジンであるべきだと思っています。
④ 生成AI時代への対応
ChatGPTやPerplexityの普及で、ユーザーの検索行動そのものが変わりつつあります。従来の「10個のリンクから選ぶ」検索結果から、AIが直接回答を生成する世界へ。
この変化に対応するためのAIO(AI Optimization)やLLMO(Large Language Model Optimization)は、海外では既に実践レベルで議論されています。僕自身、この領域についてKindle本やUdemy講座で体系化してきましたが、日本での認知はまだまだこれからです。
- Kindle:AI時代のテクニカルSEOの教科書
- Udemy:AI時代のコンテンツSEO講座
日本のSEOはもっと強くなれる
批判をしたいわけではなく、むしろ日本のSEO市場にはまだまだ伸びしろがあると感じています。
テクニカルの基盤を固め、グローバルの視点を取り入れ、生成AI時代の変化に先手を打つ。これができる人材や組織が増えれば、日本企業の海外での検索プレゼンスは大きく変わるはずです。
僕自身、その一端を担えるSEOストラテジストでありたいと思っています。